長崎県の最低賃金の推移
長崎地方最低賃金審議会(会長・深浦厚之鎮西学院大教授)は2日、2025年度の長崎県の最低賃金を現行から78円引き上げ、時給1031円にするよう倉永圭介長崎労働局長に答申した。発効日は12月1日。引き上げ額は時給方式となった02年度以降で最大。中央最低賃金審議会が示した目安額64円を14円上回った。
審議会(本審)に先立って同日開いた第5回専門部会(部会長・林徹長崎大教授)では前回までと同様、労使各委員の主張が一致せず、学識経験者らで構成する公益代表委員が78円の引き上げと12月1日の発効を提示。使用者側委員3人は反発し、全員退席。その後の採決で部会長を除く、5人全員が賛成した。
本審の採決では出席した委員14人のうち、使用者側委員(4人)が「反対の強い意志を示すために退席する」と表明。深浦会長は「採決に参加してほしい」と促したが、「考えに変わりはない」として退席した。会長を除く公益代表委員4人と労働者側委員5人の計9人全員が賛成した。
中央審議会が決めた25年度の引き上げ目標は全国平均で63円。経済情勢などで都道府県を三つに分けた区分のうち、長崎県など地方部13県のC区分は64円としていたが、長崎県や秋田(引き上げ額80円)、岩手(同79円)など各地方審議会で目安を大幅に上回る答申が続出している。
九州・沖縄では福岡を除く7県がC区分。1日までに答申された県のうち、時給は佐賀1030円(引き上げ額74円)、鹿児島1026円(同73円)、宮崎と沖縄1023円(同71円)となっている。
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