トランプ政権のロスへの州兵派遣は法律に違反、地裁が判断

米カリフォルニア州連邦地裁は2日、トランプ政権によるロサンゼルスへの州兵派遣について、連邦軍による国内の法執行への介入を制限する法律に違反するとし、同州における犯罪対策としての軍の使用を阻止する判断を下した。写真は不法移民の一斉摘発に対する抗議デモ中、ガスマスクを着用する州兵たち。カリフォルニア州ロサンゼルスで6月撮影(2025年 ロイター/David Swanson)

[2日 ロイター] – 米カリフォルニア州の連邦地裁は2日、トランプ政権が不法移民取り締まりへの抗議活動に対応するためにロサンゼルスに州兵を派遣した措置について違法と判断した。シカゴなど他都市にも軍派遣を警告しているトランプ氏には打撃となる。

地裁は、政権が6月に州兵4000人と海兵隊700人をロサンゼルスに派遣した措置について、国内の法執行において軍の介入を制限する「ポッセ・コミタトゥス法」に違反するとした。

ただ、軍動員を禁じる命令の執行は12日まで保留されるため、この間にトランプ政権が上訴する公算が大きい。

トランプ氏は会見で、州兵派遣でロサンゼルスの秩序が回復したと述べ、さらに多くの都市に軍を派遣する意向を表明。シカゴやボルチモアなどの都市を挙げ、「私にはこの国を守る義務があるため、われわれにはそうする権利がある」と主張した。

トランプ大統領は8月、治安維持を目的に、首都ワシントンに州兵を派遣し、ワシントン警察当局を連邦政府の指揮下に置いた。その後、中西部イリノイ州シカゴにも軍を展開する考えを示している。

今回の判断はカリフォルニア州にのみ適用される。ただ、地裁判事は、トランプ氏が他都市への軍派遣を表明していることから、今後の法律違反を防ぐためには禁止命令が必要だと述べた。

政権側の弁護士は、合衆国憲法はポッセ・コミタトゥス法の例外として、連邦職員と財産を守るために大統領が軍を動員することを認めていると主張していた。

原告のニューサム州知事は「カリフォルニアの人々はトランプ氏による米都市の違法な軍事化に対する責任追及を勝ち取った」とXに投稿した。

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab

WACOCA: People, Life, Style.

Exit mobile version