台湾ドルの下落とキャリートレードの復活を背景に、台湾の生命保険会社の為替ヘッジコストが急速に低下している。

  ブルームバーグの試算によれば、台湾ドルのオフショア・フォワードを用いた米ドル建て資産のヘッジコスト(3カ月物)は3カ月前の14%から3%ほどに低下した。米国のオーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)と台湾ドルのインプライド・イールドの差から算出した。

  急激な為替変動リスクに備えたい保険会社にとって有利な動きとなる。現行7-9月(第3四半期)の台湾ドル下落と、キャリートレードの調達通貨としての台湾ドルの使用増加が主な要因となっている。

  バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BNYメロン)のアジア太平洋シニア市場ストラテジスト、ウィー・クーン・チョン氏は「ヘッジコストの下落は、5月と6月に極端に進んだ台湾ドル買いから、米ドル買いにポジションが回帰しつつあることが背景にある」と指摘。その上で「台湾ドルが1米ドル=30台湾ドル台に下落したのは多くの投資家に驚きで、投資家にカバーを促した」と述べた。

  台湾の保険会社は海外資産の90%強を米ドル建てで保有している。米ドル下落が進めば多額の為替差損が生じる恐れがある。5月に台湾ドルの上昇率が単日として1988年以来の大きさとなった際には、保険会社は大きな損失を抱えた。

関連記事:台湾市場に動揺、急ピッチの通貨高進行で-背後にトランプ関税 (2)

Taiwan's Hedge Costs Have Dropped Sharply

 

 

原題:Taiwan’s Life Insurers See Big Drop in Currency Hedging Costs(抜粋)

WACOCA: People, Life, Style.