Free青森県内賃上げ実施81・9% 5年ぶり低下、企業に息切れも/東京商工リサーチ



2025年9月1日 20:15






青森県内企業の賃上げ実施率の推移


青森県内企業の賃上げ実施率の推移



東京商工リサーチ青森支店によると、2025年度に賃上げをした青森県内企業は過去最高だった前年度を6・1ポイント下回る81・9%だった。4年連続で8割台の高水準を維持したものの5年ぶりに低下。青森支店は長引く物価高で収益環境が悪化している点を挙げ「企業の息切れが顕在化し始めている」と話す。

 1日発表した。調査は7月30日~8月6日に行い、県内に本社を置く72社の有効回答を分析。定期昇給やベースアップ(ベア)のほか、賞与(一時金)、新卒者初任給、再雇用者給与の増額を賃上げとした。

 産業別の実施率は製造業や農林水産業、鉱業、金融保険業が各100%。建設業86・9%、小売業85・7%、サービス業他81・9%の順に高かった。

 一方で卸売業、情報通信業は各66・6%、不動産業が50・0%。成果報酬の形態が多い業種や業績変動が少ない小規模不動産賃貸業者は低かった。

 賃上げ内容(複数回答)はベアが43社で最多。定期昇給42社、賞与23社、新卒者初任給20社の順だった。長期的な人件費上昇を避けるため、基本給ではなく、賞与の増額で対応する企業も目立った。

 賃上げ率は「3%以上4%未満」27・5%、「5%以上6%未満」24・1%、「4%以上5%未満」17・2%だった。

 トランプ米大統領の関税政策が25年度の賃上げに与える影響では、回答した58社の約7割の39社が「ない」と答えた。ただ、次年度への影響については「ない」が29社に減少。トランプ関税に関する懸念の高まりがうかがえた。

 青森支店は「安定した賃上げの継続には業務効率化など収益改善への投資と、経営課題に対する金融支援や行政の支援といった環境整備が必要になる」との見解を示した。

 







WACOCA: People, Life, Style.