独仏首脳、米大統領のEUデジタル規制巡る脅し拒否

 8月29日、フランスのマクロン大統領(写真右)とドイツのメルツ首相(左)は、フランス南部トゥーロンで共同記者会見し、トランプ米大統領が欧州のデジタルサービス規制を批判したことについて、欧州は独自のテクノロジー関連法制を導入する権利があると主張し、どのような米国の強制措置があっても報復で応じると表明した。写真は8月、仏トゥーロンで代表撮影(2025年 ロイター)

[トゥーロン(フランス) 29日 ロイター] – フランスのマクロン大統領とドイツのメルツ首相は29日、フランス南部トゥーロンで共同記者会見し、トランプ米大統領が欧州のデジタルサービス規制を批判したことについて、欧州は独自のテクノロジー関連法制を導入する権利があると主張し、どのような米国の強制措置があっても報復で応じると表明した。

トランプ大統領は25日、デジタル課税や法制・規制が米IT企業の利益を損なうか、もしくは差別する意図があるとして、こうした課税や法制・規制を導入する全ての国に追加関税を課すと脅した。

マクロン大統領は米国がEUの規制に異議を唱えるいかなる動きも報復を招くと述べた。「課税や規制の問題はわが国の国会および欧州議会の専権事項だ」とし「他の誰にも決めさせない」と話した。

メルツ首相はトランプ大統領に対して、EUがデジタル市場をどのように規制しているかどうかはEUの主権を表現しており、誰かが異議を差し挟むことは認められないと伝えたと述べた。「われわれは自らの利益のため、そして自らの利益のみに基づいて実行している」と語った。

トランプ政権はEUのデジタルサービス規制を巡り、巨大IT企業の影響力の抑制を目的とした「デジタル市場法(DMA)」や大規模オンラインプラットフォームに違法・有害コンテンツの対応を求める「デジタルサービス法(DSA)」を一貫して批判してきた。

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Michel Rose

Michel reports on French politics and diplomacy, having covered President Emmanuel Macron at the Elysee since 2017 and the rise of the far right under Marine Le Pen. He also writes about power dynamics in the EU. He previously covered macro-economics and energy. Worked at the Milan, Italy bureau of Reuters during the euro zone debt crisis and at the London headquarters. Michel is a graduate of the London School of Economics and the Sorbonne, and is interested in mental health and social diversity issues.

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