TOYOTA ARENA TOKYOが多目的アリーナとして10月3日に開業する。一般開放を前に、8月28日メディア向け先行内覧会が開かれた。

 TOYOTA ARENA TOKYOは、B.LEAGUE所属のプロバスケットボールチーム・アルバルク東京のホームアリーナ。10月3日はアルバルク東京のホームゲーム(『りそなグループB.LEAGUE 2025-26シーズン』宇都宮ブレックス戦)で開幕となるが、10月11日、12日にはOfficial髭男dismが音楽ライブのこけら落とし公演(『Official髭男dism one-man live in TOYOTA ARENA TOKYO』)を行うなど、スポーツのみならずコンサート会場としても利用されていく予定だ。そこで本記事では、音楽ライブ使用時の視点からの素直な感想とともに、TOYOTA ARENA TOKYOの実態をレポートしていきたい。

 TOYOTA ARENA TOKYOがあるのは、お台場エリアの青海。最寄駅は新交通ゆりかもめの青海駅、りんかい線の東京テレポート駅だ。パレットタウン跡地東側に位置するMEGA WEBの跡地で、Zepp Tokyoがあったすぐ近くと説明すれば分かる人も多いのではないだろうか。

 収容人数はスポーツ時は約1万人、コンサート時は8000人。東京都内および近郊で1万人前後の規模の収容人数を持つアリーナ会場は、国立代々木競技場 第一体育館(約1万2000人)、ぴあアリーナMM(約1万2000人)、京王アリーナ TOKYO(約1万人)、LaLa arena TOKYO-BAY(約1万人)、幕張イベントホール(約9000人)といった会場があり、コンサート会場不足が長年叫ばれている中での、一つの受け皿となるのは確実だろう。

 チケットを確認する入場口・メインゲートから入ると、目の前にはすぐにアリーナ会場と巨大なビジョンが見えてくる。ロビーやホワイエなどのない開放的な空間を抜けて1F/アリーナ面まで降りると、会場全体のコンパクトさに驚いた。すべての観客席からバスケットコートが見やすい楕円(オーバル)型を採用していること、さらに4F席までの階層を設けた構造になっているからだろうか。ステージプランにもよるが、ステージまでの距離は比較的近く感じられるように思う。4Fのスタンド席最後方、いわゆる“天空席”から見渡してみると、さいたまスーパーアリーナをギュッと縮小したような印象も受けた。スタンディングで観覧する際には急な勾配に気をつける必要はありそうだ。



 座席には全席レザーシートを採用しており、クッション仕様、カップホルダーがついているのは、長時間のライブでは嬉しいポイント。高解像度かつ客席からの見やすさにこだわって設計された中央のセンターハングビジョンや国内アリーナでは初の2層による環状のリボンビジョンは、音楽ライブでも様々な演出を担ってくれそうだ。音響設備もドイツのd&b audiotechnik社製のスピーカーシステムが採用されており、独自のアコースティック構造と最新デジタル技術により、アリーナ内のどこでも音を均一に届けることを可能にしたという。こけら落とし公演以降の実際の音楽ライブでぜひ体感してみたい。

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 筆者が少し気になったのは、メインアリーナ1・2・3Fにあるホスピタリティエリアが本会場の一つの売りになっていること。個室のスイートやラウンジなど、アルバルク東京の試合の際には、飲食とともに特別な観戦体験を味わえる場である。音楽ライブになった場合、このスペースの使用は「興行主の判断に任せる」とのこと。海外アーティストのライブなどでVIP席として販売される可能性は考えられそうだが、国内のアーティストではどうだろうか。通常の観客席との差別化が明確にあるスペースのため、使い方次第では新たなライブ鑑賞のスタイルを観客に提供することもできるかもしれない。メインアリーナ3Fには子ども連れでも楽しめるように設計されたカラフルなファミリールームがあるが、これも音楽ライブの場合、どのように利用されるのかは気になるところだ。

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 飲食売店は3Fに7店舗、4Fに2店舗、5Fに1店舗と、ドーム会場並みに充実しており、グルメ巡りとしてこれだけでも楽しむことができそうなくらいだ。独自の取り組みとして、再利用カップと専用洗浄機「Re-CUP WASHER」による回収・洗浄を実施。トイレ問題は実際に開業してみないと分からないが、3Fは男子トイレに比べ、女子トイレの方が多く設置されているようだ。

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