STATION Ai愛知県・名古屋市に開業したスタートアップ拠点・STATION Ai。撮影:三ツ村崇志

愛知県・名古屋市で2月4日〜6日に開催されたTechGALA JAPAN。

最終日となる2月6日には、会場を2024年9月に開業したスタートアップ拠点・StationAiに移してさまざまなセッションが開かれた。愛知県が主催するビジネスプランコンテスト「AICHI NEXT UNICORN LEAGUE シーズン3」では、1000万円の賞金をかけて10社のスタートアップがピッチを披露した。

スタートアップ不毛の地からユニコーンを

AICHI NEXT UNICORN LEAGUEは、2024年度にはじまったばかりのビジネスプランコンテストだ。

ものづくりに強みを持つ愛知県・東海地方ではあるが、かねてより「スタートアップ不毛の地」とも呼ばれていた。ただ、ここ数年で少しずつ起業熱は高まっている状況にあるという。愛知県としても、これを支援するために補助金などを通じた支援を進めていたと、愛知県のスタートアップ推進課の担当者は語る。

ただ、起業した先に、さらに大きな産業のうねりを起こすようなユニコーン企業は誕生していない。

そこで愛知県では、さらに大きなスケールで成長する企業を生み出すために、より大きな支援が必要だと判断。2024年度の予算で、総額1000万円という規模のビジネスコンテストを年間3度実施することが決まった。

第1回目(応募総数54社)は、2024年9月に産業イノベーションをテーマに最終審査を実施。同11月には、ソーシャルイノベーションをテーマに第2回(同87社)のピッチコンテストが実施されていた。優勝したスタートアップには500万円、2位、3位にはそれぞれ300万円、200万円の賞金が贈られた。

今回、TechGALA最終日に開催された第3回目のピッチコンテストでは、優勝賞金が1000万円と「勝者総取り」方式。総勢66社がエントリーし、ピッチ資料などの書類審査を経て、以下の10社が最終審査に進んだ。

AIICHI NEXT UNICORN LEAGUE 第3シーズン:ファイナリスト

●IDEABLE WORKS

・場所とコンテンツを融合したミュージアムプラットフォーム

●Alchemist Material

分散型オンサイト装置によるごみの水素化

●Samaria

日本の漫画を世界に解き放つJAPANMEDIA

●SAZO

世界から買い物を! AI X 越境 EC SAZO

●Spacewasp

世界中どこでも手に入り、誰もが使う内装の構築

●Sotas

化学産業をネクスト自動車へ、素材のプラットフォーム構築

●パワーウェーブ

走行中のワイヤレス給電が可能な技術で新しいインフラを構築

●fcuro

全身検索型画像診断 AI ERATS

●Helical Fusion

日本生まれの「ヘリカル方式」で世界初の定常核融合炉を実現

●リッパー

タイヤを黒から白へ:ナノテク自然素材で脱炭素と豊かな海へ

この中から見事優勝に輝いたのは、化学製品・素材のプラットフォームを構築しているITスタートアップのSotasだ。

愛知県の大村秀章知事(左)とSotasの吉元裕樹代表(右)。愛知県の大村秀章知事(左)とSotasの吉元裕樹代表(右)。撮影:三ツ村崇志

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