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「やっぱり言語の壁はかなり厚いです」 イタリア人が日本語習得に挑戦 「イタリアとはまったく違う」と苦労したこととは

公開日:2025.08.28
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更新日:2025.08.28

著者:Hint-Pot編集部

日本海外が見た日本人コミュニケーション

2度の訪日経験がある、イタリア人のミケーレ・パパーニョさん【写真提供:ミケーレ・パパーニョ】2度の訪日経験がある、イタリア人のミケーレ・パパーニョさん【写真提供:ミケーレ・パパーニョ】

 訪日外国人が滞在中に困ることのひとつに、言語の違いがあります。外国人にとって、日本語の習得は決して簡単ではありませんが、困難を乗り越えた先には、かけがえのない喜びが待っています。2度の訪日経験を持つイタリア人のミケーレ・パパーニョさんは、日本語を勉強したものの、とても苦労したといいます。いったい、どんなところが難しかったのでしょうか。

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実感した言葉の壁

 ミケーレさんが日本に興味を持ったのは、弟から紹介されたアニメ「進撃の巨人」がきっかけでした。それから「ファンタジーの世界だけではなく、リアルな日本の生活を体験してみたい」と思うようになり、2011年に初訪日を果たしました。

 そして、2024年に再訪日。9か月間の滞在中、横浜にある日本語学校で学びながら、幼稚園で英語を教える仕事も体験するなど、日本での生活を満喫しました。

 そんなミケーレさんにとって、日本語の習得が最大の挑戦になったそう。技術発展の恩恵を受けながらも、言語の壁の高さを実感したと振り返ります。

「言葉がわからないこと、読めないことはともかく、現代のテクノロジーの発達でスマートフォンを通じて訳せるようになったから、楽にはなりました。それでも、やっぱり言語の壁はかなり厚いです。話せないことが嫌でした」

 スマホの翻訳機能などは、確かに便利ですが、リアルタイムでのコミュニケーションや微妙なニュアンスの理解に限界があります。ミケーレさんは、そうした現実を身をもって体験したようです。

発音は優しいが、奥深い日本語の世界

 日本語学習を通じて、ミケーレさんは、日本語の複雑さと独特さを深く理解するようになったといいます。

「日本語の発音は簡単でしたが、読み書き、文法は難しいです。文法は、複数と単数の違いもないし、女性名詞・男性名詞もない。初めは簡単かと思いましたが、順序がイタリア語とまったく違うから、なんのことを話しているかなかなか理解できませんでした。数のあとにつく言葉が多かったり、尊敬語などがあったり、だんだん難しくなっていきました」

 イタリア語とは文法構造が根本的に違い、敬語など、日本語独特の要素にも難しさを感じたというミケーレさん。それでも、熱心に日本語を勉強して、さまざまな日本文化に触れました。

「世界の反対側の人たちと現地の言語で話して、理解し合えるのは素晴らしいことで、僕はそうできることに大きな満足感がありました」と、日本での滞在を振り返ります。今度日本を訪れるときは、日本語でのコミュニケーションをたくさん楽しめると良いですね。

(Hint-Pot編集部)

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