米韓の「ビジネスラウンドテーブル」に出席した韓国の李在明大統領(中央)右隣りがNVIDIAのジェンスン・フアンCEO(8月25日、写真:YONHAP NEWS/アフロ)
2025年8月26日(韓国時間)、韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領は、ドナルド・トランプ米大統領との最初の米韓首脳会談をとりあえず無難に乗り切った。
サムスンや現代自動車のトップもワシントンに勢ぞろい、大統領を全面支援した。
蜜月関係かと思いきや、大統領や財閥総帥が不在の間、韓国では産業界が強く反対した法改正が次々に国会を通過した。財閥、大企業は政権との距離感に戸惑っている。
「ワシントンに全員集合して一致団結しているときに、ソウルでこんなことが起きるとは・・・」
ある財閥の役員は、複雑な表情でこう話した。
サムスン、現代自、SK…トップが全員集合
韓国の財閥、大企業から見れば、一連の李在明大統領の外遊は、ひとまず安心したはずだ。
日韓首脳会談では、未来志向の協力強化を打ち出した。
事前に様々な懸念材料があった。共同発表や会見もなかったとはいえ、米韓首脳会談を無難に乗り切ったとの評価が圧倒的だ。
韓国の財閥、大企業にとって米国市場は生命線だ。もし、首脳会談がこじれたり、米側からとても対応できないような新たな要求が出たら、事業に大打撃となることは必至だ。
こういう事態を回避できただけでも「満足」のはずだ。
米韓首脳会談に向けては韓国の財閥、産業界も総出で成功を後押しした。米韓首脳会談直後、李在明大統領はホワイトハウス近くのホテルに移動した。
「米韓ビジネスラウンドテーブル」に出席したのだ。ホテルでは韓国財閥総帥たちがずらりと並んだ。
サムスン電子の李在鎔(イ・ジェヨン)会長、現代自動車グループの鄭義宣(チョン・ウィソン)会長、SKグループの崔泰源(チェ・テウォン)会長、LGグループの具光謨(ク・グァンモ)会長のほか、CJグループ会長、大韓航空会長、韓国経済人協会会長や米韓産業協力の目玉である造船分野のHD現代グループ首席副会長、ハンファグループ副会長など16人だ。
これだけのメンバーが一堂に集まることは韓国内でもほとんどない。それほど今回の米韓首脳会談の成功を切望していたのだ。
米国側からもエヌビディア(NVIDIA)のジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)やアプライドマテリアルズ、カーライルグループ、ボーイング、などのトップや経営幹部21人が参加して事業協力などについて意見を交わした。
前後して、現代自動車グループが米国でロボット事業に50億ドルを新規投資するほか、大韓航空がボーイングから航空機を100機以上購入する計画を発表した。
李在明大統領と財閥総帥もにこやかに懇談し、政権と財閥の二人三脚ぶりを印象付けた。
米韓首脳会談の翌日、李在明大統領はフィラデルフィアにあるハンファグループが買収した造船に足を運んだ。造船分野での協力は、韓国側が米国側に示した産業協力の目玉だった。
この訪問の際にも、ハンファグループの副会長が、50億ドルの追加投資を発表した。

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