プレスツアーでやってきた大野市。まず市街地付近を軽く見た後に、最新のスポットへ向かうことに。
それは、7月19日にオープンしたばかりのキャンプ場「SORA to DAICHI」! へぇ、キャンプ場かぁ。電源があって、土足厳禁の屋内タイプなトイレと、サウナもあると。
そして夜には星空がウリと。いいじゃないの! そうだ、一つ相談なのですが……。この時の私は把握していなかった。この提案が、まさかあんな悲劇に繋がるとは。
・SORA to DAICHI
ということでやってきました。大野市にできた最新のキャンプ場「SORA to DAICHI」。トップの写真はエントランス付近にある看板兼岩。そしてこちらが受付。
この岩はネイチャー感の演出のために他所から持ってきたものではない。経ヶ岳の噴火に由来する巨大な火山岩で、一帯には同様のものが散らばっている。伏石(ぶくいし)というらしい。
かなり山の方に来た感があるが、実は先ほどまで我々のいた場所から車で20分ほどしかかからない。市街地からけっこう気軽に来られる距離感。
8月30日には音楽フェス「六呂師 Starry Music Festival 2025」の会場となる予定でもある。キャンプとか無関係に、近々参加予定だったフェス会場として把握していた人も多いかもしれない。
距離的には大野市ダウンタウンから近いが、気温は少し涼しい感じ。この日の市街地の気温は余裕で30度越えの酷暑だったが、キャンプ場周辺は大量のアキアカネが飛んでいた。
それはつまり、この辺の気温が30度より低いことを示していると考えられる。近隣には牧場があり、放牧中の牛が見えた。
エリア内はオートサイトとグランピングサイト、そしてフリーサイトがあるもよう。料金はプランやその時々で異なるので公式HPを見ていただきたい。予約方法や消灯時間、火の使用方法など重要なこともかかれている。
エリア内マップはこんな感じ。
・サウナ
マップを見て気になるのは、やはりサウナ。貸切優先なので、公式HPから予約すれば先着順で貸し切れる。
キャンプ利用客は、貸し切り予約が入っていなければ当日利用が可能。受付に聞くと良いだろう。脱衣所はこんな感じで
サウナ。なお全裸では使用できない。水着の着用がマスト。
シャワーがあり
涼むスペース。
風呂としてシャワーのみ利用しようという人も出ると思うが、それはキャンプ場の隣のトロン温浴施設「うらら館」を使うことが推奨される。
「SORA to DAICHI」のキャンプ客は、「うらら館」の料金が200円引きされるらしい。つまりキャンプしつつ、真横の大衆浴場で安く大きい風呂に入れる! 素晴らしいではないか。
・トイレがきれい
さて、個人的にはトイレも評価が高い。キャンプ場のトイレでは、時に虫と爬虫類の群れの中で過酷な下半身の露出を強いられる場合がある。しかしここは完全に屋内な感じ。
女性用にはベビーベッドもあった。
・星空保護区
へぇ、なかなかいい感じのキャンプ場じゃないの。ところで資料には、星空がどうのって書いてあるんですが……?
担当者「実は周辺の南六呂師地区は星空保護区に認定されたんです」
ほう、星空保護区。これはアメリカの民間団体によるもの。認定されたのは、市街地から近い場所から美しい星空が見える地域が対象の「アーバン・ナイトスカイプレイス」部門で、アジアでこの部門の認定は初だそう。
それは見てみたい。しかし今はまだ昼間。ということで夕食後に再び戻ってくることに。夕食会場は「ビストロシャルム」というクオリティとコスパが神なお店だ。別で記事にしている。
・敗北
ところで、ここまでの現地の写真を見ていただきたい。どれもそこそこ空に雲が出ている。そして夕食時の大野市街地は、ほぼ曇りと言っても過言ではない状態。
これは無理では? 誰もがそう思ったが、行くだけ行ってみることに。時刻は午後9時。日のくれた「SORA to DAICHI」にて空を見上げると……
すっげぇ曇ってる
星空観賞会、完!!
ということで、我々は早々に宿に行くことに。
……
……
……
……
私「一つ相談なのですが、私だけもう少しここに残れませんか?」
・ガチ
私には確信があった。今は曇っているが、各種気象データや衛星からの情報を見るに、1時間後には晴れる……と。
プレスツアー中にスケジュールを強引に変えさせるのは出禁もあり得るヤバいムーヴだが、星空保護区に来て星空を取材せず帰るのは不完全燃焼感がある。
しかしどう見ても曇っていたのと、常識人しかいない他のメディア陣は撤収。私は帯同していた福井新聞社 I氏の車で、後で宿に連れて行ってくれるということに。
こうして、闇に包まれた「SORA to DAICHI」には私とI氏、そしてPR会社の担当者の計3名が残った。そして闇の中待機すること1時間ほど。
星空キタァァァアアアア!!!
雲ゼロの超快晴だ! これで曇ったままだったらだいぶマズかったが、天は私に味方したもよう。そこでI氏が私に更なる提案を持ち掛けてきた!!
I氏「向こうの方に、もっと良さげな場所がありますよ!」
なんとこちら、キャンプ場から徒歩1分くらいの場所に「日本一美しい星空観測場所」という、極めて強気の看板の設置された広場があるのだ……!
看板の向こうの方角は南。縦方向の天の川と いて座、そしてさそり座がよく見えるぞ!!! これは夏の夜空の一番美味しい所。
大三角形がよく注目されるが、銀河の中心方向は いて座方面。南の方がミルキーなのだ。しかし22時時点では、なにやらだいぶ明るい(肉眼では暗いが)。
真南は名古屋方面なので、恐らく山を越えた先の市街地の光が写り込んでいるのだろう。しかしこれはこれでドラマチックで良いと思う。
圧倒的な星空の下、福井新聞社のI氏も目覚めたのか、時には地面に寝転がるなどしてiPhoneで撮れないかとやっていた。
だいぶ疲労の貯まった汗だくのおっさん3人が、ガチな暗闇のなか、地面に転がったりしながら星を撮っている状況だ。だいぶ限界みがある。こういう場所でなければ許されなかったろう。
・悲劇
しかし星空はいいものだ。私としては翌朝まで粘れる勢いゆえに限界を攻めようとしていたが、さすがに宿の都合がヤバいという。ここが潮時か。ついに撤収することに。
皆さんお疲れ様でした。何だかんだ2時間近く続いた星空取材。暗闇の中お付き合いいただき恐縮の限り。まあでも大野市街の宿まで20分程度。
明日も朝早いので、すぐに寝ましょう! そんな感じで宿に到着したのだが、なぜかI氏が車から降りてこない。そして、そのまま走り去ってしまった。
あれ……彼もここに泊まるのでは? 聞くと、I氏は我々と共に宿泊せず、福井市内の自宅に戻るという。じゃあ彼は、ここからさらに1時間くらいのドライブっすか?
朝から酷暑の中、我々メディア陣に福井の良さを伝えんと尽力していた福井新聞社のI氏。恐らく最も疲労しているはずだ。
しかも翌日も朝早く、彼はここまで運転してこなければならない。す、すまない、知らなかったのだ……! 意図せず過酷な労働を強いてしまった。
だが、この犠牲によって星空保護区に指定された大野市の、「SORA to DAICHI」の星空のガチさは示せたのではなかろうか。
私も趣味で星景写真を撮りに行くことがあるが、ここの夜空のクオリティは本物だった。本州で、市街地まで20分程度でここまで暗い場所は貴重だ。流星群の夜はさぞ素晴らしいことだろう。
ということで、福井県大野市にできた最新のキャンプスポット「SORA to DAICHI」。綺麗なトイレにサウナ、真横には温浴施設、ペット同伴も可能なオートサイトもある。
そして晴れた夜はガチ天体観測も可能! 全国のキャンパーと天体が趣味の皆さん、お勧めのスポットです。
参考リンク:SORA to DAICHI
執筆・撮影:江川資具
Photo:RocketNews24.
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