中国の工業利益は3カ月連続の減少となった。ただ、落ち込みのペースは和らいだ。生産過剰の抑制に向けた取り組みが、メーカー間の過度な競争の緊張を緩和しつつあることを示す兆候の可能性がある。

  国家統計局が27日に発表した7月の工業利益は、前年同月比1.5%減だった。5月からマイナスが続くが、最も小さい減少幅となった。1-7月の累計では前年同期比1.7%減。1-6月は同1.8%減だった。

  統計担当者がデータ公表に際して発表した別の声明によると、製造業部門では利益の伸びが大きく加速し、7月は前年同月比6.8%増と6月の1.4%増を大幅に上回った。原材料や鉄鋼メーカー、石油精製業者は黒字に転じた。

  政府主導の過剰競争抑制策が収益改善につながり始めている一方で、一段の内需軟化で利益率は引き続き圧迫されている。

  7月の中国経済は全体的に減速。消費者物価は前年と同じ水準にとどまり、小売売上高の伸びも鈍化。生産者物価指数(PPI)は2年10カ月連続のマイナスとなった。

  対米輸出の減少を他の地域向けの輸出が相殺したものの、中国の新規輸出受注の指数は過去3カ月で最も速いペースで低下し、海外需要の先行きへの懸念が強まっている。

  工業利益は工場や鉱山、公益事業などを手がける企業の財務健全性を示す重要な指標で、向こう数カ月の投資判断に大きな影響を与える。

原題:China’s Crackdown on Price Wars Eases Industrial Profit Drop (1)(抜粋)

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