EU森林火災、焼失面積がキプロス上回り過去最大 CO2も記録更新へ

 欧州各地で今年、森林火災が猛威を振るっているが、欧州連合(EU)内の焼失面積が100万ヘクタールを超え、キプロスの国土面積を上回ったことが分かった。ポルトガル・フンダンで21日撮影(2025年 ロイター/Violeta Santos Moura)

[ブリュッセル 26日 ロイター] – 欧州各地で今年、森林火災が猛威を振るっているが、欧州連合(EU)内の焼失面積が100万ヘクタールを超え、キプロスの国土面積を上回ったことが分かった。

EUの欧州森林火災情報システムのデータをロイターが分析した。今月26日時点の延べ焼失面積は102万8000ヘクタール。キプロスよりも広い土地が炎に飲み込まれた。年間の統計として最大だった17年の約99万8000ヘクタールを上回った。

国別ではスペインとポルトガルの被害が最も大きく、両国を合わせて焼失面積全体の3分の2を占めた。データによると、森林火災の発生件数は8月5―19日の間に急増しており、この時期はイベリア半島で16日間続いた熱波と重なる。

熱波は先週落ち着いたものの火災の勢いをあおり、両国で少なくとも8人が死亡。鉄道の運行休止や、道路の閉鎖を招いた。

欧州森林火災情報システムによると、今年起きた森林火災によって排出された二酸化炭素(CO2)は3800万トン。25年通年では、これまでの最高の4100万トンを超える見通しだ。

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Kate Abnett

Kate Abnett covers EU climate and energy policy in Brussels, reporting on Europe’s green transition and how climate change is affecting people and ecosystems across the EU. Other areas of coverage include international climate diplomacy. Before joining Reuters, Kate covered emissions and energy markets for Argus Media in London. She is part of the teams whose reporting on Europe’s energy crisis won two Reuters journalist of the year awards in 2022.

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