【8月27日 CNS】中国政府は新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)とチベット自治区(Tibet Autonomous Region)を結ぶ新蔵鉄道建設計画を推進している。総事業費は約4000億元(約8兆1965億円)と見込まれ、中国国家鉄路集団が全額出資する新蔵鉄道有限公司が設立された。このプロジェクトは、中国西部の交通インフラを大幅に強化する国家的な重要事業となる。

新蔵鉄道は全長約2000キロに及び、その大部分が標高4500メートル以上の高地を通る予定だ。崑崙山脈(Kunlun Mountains)やヒマラヤ山脈(Himalayas)といった険しい山岳地帯を横断し、十数か所の氷河峠や未開発地域を通る計画である。建設難易度は2006年に開通した青藏鉄道を上回るとされ、1キロ当たり約2億元(約40億9830万円)という高い建設コストがかかる見込みだ。

このプロジェクトの意義は多岐にわたる。第一に、チベット西部の交通空白地帯を解消し、新疆とチベットの経済的結びつきを強化する。第二に、国境地域の安全保障体制を整備する。第三に、「一帯一路(Belt and Road)」構想の一環として、中央アジアや南アジアとの連携を深めることが期待されている。

経済面では、新疆の鉱物資源とチベットの観光資源を結びつける効果が注目される。特にチベット自治区では2024年上半期の経済成長率が全国首位を記録するなど、インフラ投資が地域経済を牽引している。新蔵鉄道の完成により、さらに大きな経済効果が生まれると予想される。

専門家によれば、このような高地鉄道建設には最新の技術と膨大な資金が必要で、完成までには10年以上の歳月がかかる見込みだ。中国政府は国家戦略としてこのプロジェクトを位置付けており、今後の進捗が注目される。(c)CNS-三里河中国経済観察/JCM/AFPBB News

 

WACOCA: People, Life, Style.