打撃のチーム 花開く 石川ボーイズ ドラゴンズカップ制す

中日ドラゴンズカップ優勝を決め、記念写真に納まる石川ボーイズの選手たち=名古屋市東区のバンテリンドームナゴヤで

 26日に名古屋市東区のバンテリンドームナゴヤであった「第13回中日ドラゴンズカップ2025中学硬式野球大会」の決勝戦。石川ボーイズは、持ち味の打撃力で福井中央リトルシニアを4−2で破り、優勝した。(甲斐崎颯斗)

 接戦に終止符を打つ2点三塁打を放った米田尊選手は、塁上で目いっぱい両拳を突き上げた。「気持ち良かった」と試合後、ほっとした表情で振り返った。

 2−2で同点の七回2死一、二塁。外角低めの球を捉えた打球は中堅手の頭を越え、外野フェンスまで転がった。ランニング本塁打を狙い、三塁を回りかけたが、三塁コーチの制止で自重。「ちょっと足が遅かったですね」と笑った。

 打線は準決勝までの3試合で平均7点を挙げたが、決勝では相手先発の技巧派左腕に手玉に取られ、五回まで無得点。それでも2点を追う六回、球数制限などで相手先発が交代した後は打線がつながった。

 織田龍聖選手の中前打などで1死満塁の好機をつくり、打席には山崎和真選手。「前の打者の打席を見ていて、ストレートなら絶対にタイミングが合うと思っていた。直球だけを待っていた」。狙い通りに初球の内角直球を振り抜き、2点左前打で同点に追いついた。相手右腕は130キロ超を誇る速球派だったが、試合前に打撃マシンで対策していたのが功を奏し「完ぺきです」と胸を張った。

 山下靖監督が「打撃のチーム」と称するように、練習の8割を打撃に割いた超攻撃型のチームが頂点に立った。「冬から一生懸命頑張ってくれた結果が最後に花開いてくれてよかった」と山下監督。大会の歴史に、石川ボーイズの名が刻まれた。

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