アラスカのエルメンドロフ・リチャードソン統合基地にプーチン氏を出迎えたトランプ大統領(8月15日、提供:Daniel Torok/White House/ZUMA Press/アフロ)

 米国のドナルド・トランプ大統領とロシアのウラジーミル・プーチン大統領は8月15日、アラスカのアンカレッジで会談した。

 会談では、プーチン氏がウクライナ軍のドンバス地域からの撤退と割譲を求め、見返りに再攻撃をしないと書面で約束する提案を行ったという。

 トランプ氏は、即時停戦ではなく和平合意を追求すべきという点で、プーチン氏と一致したと語った。

 8月18日、トランプ氏とウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、英国・フランス・ドイツ・イタリア首脳を交えて会談を行った。

 その後、10日以内に安全保障の詳細決定、2週間以内に米国とロシア、ウクライナの首脳会談が行われるのではないかという希望的な予測が出ている。

 ロシアは、侵攻の経済負担とウクライナからのエネルギー施設などへの無人機攻撃で、混乱し弱体化しつつある。

 だからといって、ロシアが侵攻をやめ停戦へと進むかどうかは未知であり、プーチン氏の意思と決断次第とみられている。

 米欧とウクライナでは、ウクライナの安全保障について検討が進められている。「近い時期に、米露とウクライナの間で停戦の話が決まるのではないか」という希望的観測も出てきている。

 このように、交渉の話が進む中、実際のところロシア軍の地上戦に動きの変化がみられるのだろうか。

 交渉が進んでも、ロシアの地上作戦が止まらなければ、口先だけの交渉事であるということになる。

 そこで、「ロシアの地上作戦の実態はどうか、ロシアが侵攻を停止する予兆はあるのかないのか」を考察する。

 特に、ロシア地上軍の動き(戦闘の回数の変化)、地上作戦を支援する空爆回数、自爆型無人機の攻撃回数の変化をもとに分析する。

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