公開日時 2025年08月26日 05:00更新日時 2025年08月26日 07:52

山口・長生炭鉱で骨とみられる3本を回収 山口県警が鑑定へ 沖縄出身5人含む183人が犠牲
長生炭鉱から回収された骨とみられる物=25日午後、山口県宇部市

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琉球新報朝刊

 戦時中に朝鮮人を含む183人が犠牲になった山口県宇部市の海底炭鉱「長生炭鉱」で25日、遺骨回収の潜水調査をしていた民間団体が骨とみられる物を3本回収した。県警が人骨かどうか鑑定する。

 3本はそれぞれ長さ約42センチ、29センチ、23センチの黒い棒状。民間団体「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」によると、韓国人ダイバー2人が海中の坑道内を調査したところ、骨のような物を多数発見し、うち3本を回収。会の関係者が県警に通報した。

 長生炭鉱は1942年2月、坑内へ海水が流れ込む事故が発生。朝鮮人と広島、沖縄両県出身の日本人らが死亡した。

 犠牲者183人のうち、136人は朝鮮人で、日本人は47人。うち、沖縄県出身者5人が含まれている。県内に遺族がいることも分かっている。

 歴史に刻む会と連帯するガマフヤー代表の具志堅隆松さんは、今回見つかった遺骨について、国が責任をもって炭素の同位体の比率などから出身地などを推定する「安定同位体分析」にかけるべきだと語る。

 具志堅さんは「安定同位体分析」によって遺骨の出身地を朝鮮半島、日本本土、沖縄県の三つのグループに分け、遺族がいる場合はDNA鑑定で身元を特定し、遺族に返還できるとした。その上で「遺族が判明しなくても遺骨を古里に返還することができるし、返還すべきだ」と述べた。

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