8月25日、格付け会社フィッチは、インドの力強い経済成長と堅調な対外ファイナンスを理由に同国の長期外貨建て発行体デフォルト格付けを「BBB-」に据え置いた。写真はムンバイの金融街。2017年6月、ムンバイで撮影(2025年 ロイター/Danish Siddiqui)
[25日 ロイター] – 格付け会社フィッチは25日、インドの長期外貨建て発行体デフォルト格付けを「BBB-」に据え置いた。
依然として高い財政赤字と債務水準を理由に挙げており、大手3社全てによる格上げを望んでいたインド政府の期待は打ち砕かれた。
今月、S&Pがインドの格付けを「BBB」に格上げした。18年ぶりのことだったため、インド政府は他の格付け会社も追随することを期待すると表明していた。
フィッチは2006年以降、インドの格付けを「BBB-」に据え置いており、ムーディーズも20年6月から「Baa3」を維持している。
フィッチによると、インドの政府債務負担は「高水準」であり、同社の推計では80.9%に達し「『BBB』の中央値である59.6%を大幅に上回っている」。さらに、26会計年度には債務が81.5%にわずかに上昇すると予測している。
「名目成長率が10%を下回り続ければ、債務削減は困難になる可能性がある」と述べた。
インドの力強い経済成長と堅調な対外ファイナンスも指摘した。
「インドの経済見通しは、過去2年間でモメンタムが緩やかになったとはいえ、他国と比較して依然として強い」と指摘。2026年度(26年3月まで)のGDP(国内総生産)成長率を6.5%と予想。25年度と変わらず、「BBB」の中央値である2.5%を大きく上回る。
政府の継続的な設備投資と安定した民間消費に支えられ、内需は「堅調」を維持するとしながらも、米国の関税によるリスクから民間投資は緩やかなものにとどまるだろうと指摘した。
「米関税は予測に対する穏やかな下振れリスクだ」とし、関税引き下げ交渉が不調に終わった場合、中国からのサプライチェーン(供給網)シフトからインドが恩恵を受ける度合いが低下すると付け加えた。
「物品サービス税(GST)改革案が採用されれば、消費を下支えし、こうした成長リスクの一部を相殺するだろう」とも述べた。
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