豪、ナウルとの安保条約を来月までに批准へ 中国の投資を警戒

 8月25日、オーストラリア政府当局者は、近隣の島国ナウルとの安全保障・経済条約を来月までに批准することを目指すと表明した。写真は2010年4月、ナウルの空港滑走路の北端で漁師を撮影(ロイター/Rod Henshaw)

[シドニー 25日 ロイター] – オーストラリア政府当局者は25日、近隣の島国ナウルとの安全保障・経済条約を来月までに批准することを目指すと表明した。中国によるナウルへの10億豪ドル(6億4885万ドル)の投資案件への懸念が背景にある。

ナウルとオーストラリアの首脳は昨年12月にこの条約を発表した。これによりオーストラリアはナウルに1億豪ドルの財政支援と4000万豪ドルの安全保障支援を約束する一方で、ナウルの安全保障、銀行、通信といった重要分野への中国の関与に対して拒否権を得ることになった。

同条約はナウルではすでに批准されているが、オーストラリアでは選挙に伴い議会が数カ月間解散されていたため、まだ批准されていない。外務貿易省のマーク・タッターソール氏は25日、条約を審査する議会の委員会で、「できるだけ早く(作業を)進め、批准することが重要だ」と述べた。

ナウルは今月、中国農村振興開発との投資契約を発表した。タッターソール氏によると、オーストラリアの外交官は安全保障条約の条項に違反する恐れがあるとして、この合意について中国とナウルに照会した。

ナウル政府は、中国からの投資はナウル内閣ではまだ検討されていないと回答したという。

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