オーストラリア政府は、全国的な住宅危機への対応が続く中、住宅建設をスピードアップするための一連の措置を計画している。
23日に発表された声明によると、2万6000戸余りの新築住宅の査定を早急に実施し、住宅認可を拡大するため建築関連法のさらなる改正を凍結する。この変更には、人工知能(AI)を活用する予定だという。
オニール住宅相は声明で、「この国で住宅を建てるのはあまりにも難しい」とし、「一世代に一度の住宅危機のさなか、われわれは建設業者に未来の良質な住宅を建ててもらいたい」との考えを示した。

オーストラリアで住宅を見つけることがこれまでに増して困難になっている
Source: Bloomberg
政府はまた、国内の年金基金による住宅投資の障壁を減らすことを計画しており、業界の予測では、80億豪ドル(約7650億円)余りの住宅支出につながる可能性があるという。
一連の提案は今月、先進国の中で大きく後れを取っているオーストラリアの生産性を高めるための解決策を模索する経済円卓会議で発表された。チャルマーズ財務相は、ビジネスリーダーや労働組合、政府当局者、その他の専門家を集め、この傾向を逆転させるためのアイデアづくりに取り組んだ。
オーストラリアの住宅市場では、新型コロナウイルス禍後の住宅供給計画の停滞や、建設コストの高騰により数千の建設業者が廃業するなど、一連の要因が重なって供給が抑制されている。7月の住宅価格は6カ月連続で上昇し、全国の賃貸空室率はわずか1.7%と歴史的な低水準近辺で推移している。
プロパティ・カウンシルのマイク・ゾルバス最高経営責任者(CEO)は発表文で、「本日の発表により、全国で数万戸の新築住宅が供給されることになる」とし、「これは、より良い住宅供給へのウィンウィンのロードマップだ」とコメントした。
原題:Australia to Speed Up Housing Construction as Crisis Lingers (1)(抜粋)

WACOCA: People, Life, Style.