物価高と円高、そしてトランプ米大統領の学生ビザ発給停止報道を受けて、欧米への留学に二の足を踏む人が増えている。ライターの池田純子さんは「費用はアメリカ留学よりも格安な上、欧米のトップレベルの大学の学位もとれる国がある」という――。


クアラルンプール

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英語圏への留学を考える学生から人気急上昇

私自身、フィリピン留学経験があり、今も英語を勉強し続けている身。コスト面などで、学生が欧米へ留学することが厳しくなっているであろう現状が気になっていたが、最近、「マレーシア留学の注目度」が高まっていると聞いた。


文部科学省のデータ(高等学校等における国際交流等の状況<令和7年3月>)によると、令和5年度の高校卒業後の海外進学者は、カナダやイギリス、シンガポール、タイよりも、マレーシアが多いという(1位アメリカ、2位韓国、3位台湾、4位オーストラリアに続く5番目)。人気の理由を知りたく、マレーシア留学サポートセンター代表の斉藤高志さんに話を聞いた。


まず、斉藤さんいわく「トランプ米大統領の報道を受けて、問い合わせは確実に増えている」という。


「去年に比べると1.2倍ぐらいの問い合わせがあり、カウンセリングも毎日のように行っている状況です。もともと欧米の大学への留学を考えていたけれど、アメリカの情勢が厳しいのでどうしたらよいか、学生ビザが出るのか出ないのか、出たとしても途中で取り消される可能性があるのではないか、と他の選択肢を考える中で、マレーシアへの留学、進学を検討する人が増えているようです」(斉藤さん)


東南アジアには、シンガポールやタイなど英語圏の国もあるが今、なぜマレーシアなのか。


「マレーシアであれば、費用を抑えながら、治安の良いエリアで、欧米の大学に通えて、学位がとれるからだと思います」


どういうことなのか。


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