今回は、は2025年第1四半期のコンドミニアムの賃貸と売買マーケットの状況についてお話したいと思います。
トロント不動産協会(Toronto Real Estate Board=TREB)による2025年第1四半期の発表によりますと、今年1月~3月における賃貸物件募集件数は2万2652件、前年同期比11%アップとなりました。成約件数は1万4797件と、前年に比べて16.7%アップとなりました。2024年第4四半期に続いて賃貸マーケットの募集件数、成約件数ともに活発な結果となりました(図1)(図2)。
平均賃料を見ますと、バチェラー(ワンルームタイプ)は1864ドル、1BRが2343ドル、2BRは3036ドル、3BRが3863ドルと、全ての間取りにおいて前年同期比で約1.7~7%程度のダウンとなりました。特に3BRにおいては4000ドルを下回る賃料になりました。2024年第4四半期に比べても、全ての間取りにおいて3~4%程度平均賃料が下がっていることは今年の賃貸マーケットがさらに借手市場であることを示しています。また成約件数は全ての間取りにおいて前年同期比約14%~66%アップと賃貸ニーズは変わらず継続しています(図3)。
先月、オンタリオガイドラインが発表され、2026年の賃料アップ上限率(レントコントロール)は2.1%となりました。
賃貸マーケットの平均賃料の下落の背景には売買の不況があります。トロント不動産協会による2025年第1四半期のコンドミニアムマーケットレポートによれば、平均不動産価格は68万146ドルと前年同期比2.2%ダウンでした。また、この期間に新たに売出しされた件数は1万4544件と前年同期比25.2%アップに対して、実際に売れた成約件数は3794件と前年同期比21.7%ダウンと、コンドミニアムの売買マーケットの低迷状況を表しています(図4)。
今年第1四半期において最も売れた物件の価格帯は、50万ドル~60万ドル、および60万ドル~70万ドル、次いで40万ドル~50万ドルでした。特に40万ドル台が第3位になったことはこれまでには珍しく、コンドミニアムの取引価格が下落している現状を物語っています。最も売れた間取りは1BR、1BR+DEN、2BRでこれら3つのタイプの間取りの割合を合計すると76%と大きな割合を占めています(図5)。
エリア別の平均不動産価格を見てみますと、高額順にトロント地区71万1185ドル(前年同期比1.7%ダウン)、ヨーク地区66万141ドル(前年同期比3.5%ダウン)、ハルトン地区65万6913ドル(前年同期比5.4%ダウン)、ピール地区57万1283ドル(前年同期比6.3%ダウン)、ダラム地区56万789ドル(前年同期比0.6%アップ)とダラム地区を除いて平均不動産価格が下がっています(図6)。
これから夏から秋にかけて賃貸も売買も最も繁忙期といえるシーズンになります。底値に近づいているようにも思える現在の不動産マーケットにおいて、買いたい人にとっても借りたい人にとっても機会を逃さず良物件を見つけてください!
※弊社では、不動産売買・賃貸、物件管理、商業物件など各種物件のお捜しを承っております。お部屋探しに関する疑問・質問、ご要望についてお気軽にご相談ください!
スターツコーポレーション 増田利加
Starts Realty Canada, Inc
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