TOYOTA ARENA TOKYOメインゲートの外観。©TOYOTA ARENA TOKYO

※引用:TOYOTA

アリーナの概要と特徴

東京のお台場エリアで建設していた、多目的アリーナ「TOYOTA ARENA TOKYO(トヨタアリーナ東京)」が6月に竣工した。

2025年10月3日に開催される、バスケットボールのBリーグに所属するアルバルク東京の試合を皮切りとして開業する。

TOYOTA ARENA TOKYOは、かつての「パレットタウン・Mega Web」跡地に建っている。

ゆりかもめの「青海駅」から徒歩約4分、りんかい線の「東京テレポート駅」から徒歩約5分の場所だ。

TOYOTA ARENA TOKYO 所在地図TOYOTA ARENA TOKYOの所在地図。左手にあるZepp DiverCityは都内でも有名なコンサートホールで、用途が一部重複しているようにも思えるが、ニーズを呼び込めるだろうか。©TOYOTA ARENA TOKYO

※引用:TOYOTA

主要駅からは30分以内、羽田空港からも乗り換え1回でアクセス可能。周辺には複数のバス停もあり、都営バスや東京BRTなども利用できる。

一方で、敷地内には駐車場がないため、車でアクセスする場合は青海東臨時駐車場など近隣施設を利用する形となる。

TOYOTA ARENA TOKYOの敷地面積は約26,000㎡、延床面積は約37,000㎡。地上6階・地下1階構造で、最大収容人数は約10,000人となっている。

アルバルク東京の新ホームアリーナとして利用されるほか、その他スポーツからコンサート、展示会まで幅広く対応できる設計だ。

TOYOTA ARENA TOKYOバスケットボールの試合開催イメージ図。©TOYOTA ARENA TOKYO

※引用:TOYOTA

なお、日本国内のアリーナ規模で見ると、10,000人収容という大きさは中程度の規模に分類される。

他のアリーナと比較すると、有明アリーナ(約15,000人)や横浜アリーナ(約17,000人)よりは小規模だ。

規模を抑えることで、試合会場・ステージと観客の距離感や臨場感を高めつつ、満員時の一体感も演出しやすい設計と言えるだろう。

なお、メインアリーナ以外に複数の施設が備わっているのも特徴的だ。

TOYOTA ARENA TOKYOサブアリーナやスポーツパークでは、バスケットボールを中心としたスポーツを楽しめるようになっている。アマチュアの大会などが開催されることもありそうだ。©TOYOTA ARENA TOKYO

※引用:TOYOTA

サブアリーナではスポーツの練習や地域イベントを開催可能。他にもVIP向けのホスピタリティラウンジ、屋外のファミリーパークやスポーツパークなどが併設されている。

今後の予定イベントと収益性は

アリーナの開業がウォーターフロントの賑わいに寄与するかというと、継続的にイベントがあるのかが重要になるだろう。

こけら落としはBリーグの開幕戦となることが決まっているが、その後のスケジュールは埋まっているのだろうか。

公開されているスケジュールを見ると、Bリーグの試合以外に、Dリーグ(ダンスチームのコンテスト)のイベントが複数回にわたって開催されることが決まっている。

そのほか、音楽アーティストのライブやアニメに関連するイベントなどが来年までの期間に渡って予定されている。

TOYOTA ARENA TOKYOコンサート開催のイメージ図。既存施設で例えるならば、代々木第一体育館などに近い形だろうか。©TOYOTA ARENA TOKYO

※引用:TOYOTA

開業後の3ヶ月に絞って予定を見ると、結構予定が入っている方ではないだろうか。

収容人数10,000人の中規模アリーナは、大規模アリーナよりも維持費を抑えられる点が強みだ。

その一方で、超大型イベントの誘致力は限定的と言わざるを得ない。チケットの売上総額では大規模施設に劣るだろう。

また、最新の施設が入っていることを考えると、維持費も見逃せないポイントだ。

維持費をカバーするためには高い稼働率が必須となるほか、スポンサーシップや年間契約の安定確保が収益の鍵を握るだろう。

トヨタ系列の施設と言う点では、これ以上ないスポンサーがバックについているわけだが、集客力がありながら長期間の開催を見込めるイベントを誘致できるかが収益性のポイントとなる。

東京におけるウオーターフロントの象徴的な施設となるかどうか、開業後の賑わいに注目したいところだ。

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取材・文:秦創平(はたそうへい)


秦創平


■ 主な経歴

フリーランスライター。
不動産業界歴約12年を経て2019年からフリーランスのwebライターとして活動を開始。営業マン時代にはセミナー講師の経験も多数あり。
国内・海外を問わず不動産投資に関する記事が専門で、現在では毎月数十本単位の記事を執筆中。特にデータを用いた市場分析が得意で、海外マーケットに関するリサーチ記事の執筆も多数請け負っている。

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