もしも台湾有事が現実に起こったら――。中国による武力侵攻と浸透工作を題材とした台湾ドラマ「零日攻撃 ZERO DAY ATTACK」が、8月15日よりPrime Videoにて配信されている。
本作は、台湾海峡戦争がもたらすさまざまな危機を異なる視点から切り取った全10話のアンソロジー・シリーズ。日本からは高橋一生と水川あさみが出演し、高橋は第3話「ON AIR」で、中国の巨大テクノロジー企業で働く日台ミックスの藤原偉役を演じた。
第1話・第3話の上映会のため、高橋と共演した台湾人俳優の連俞涵(リェン・ユーハン)と楊大正(ヤン・ダージャン)が来日。単独インタビューにて、「現在の台湾でもタブー」だという敏感なテーマに挑戦する理由や役づくりの裏側などを語った。
テレビのプロデューサーを演じるヤン・ダージャン(左)
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難航したキャスティング
「現在、台湾は世界で最も危険な地域のひとつだと言われています。けれども実際には、台湾海峡は(大陸で中華人民共和国が成立した)1949年からの75年間にわたり危機に直面しているのです。にもかかわらず、台湾の映画やドラマがこの問題を直接扱ったことは一度もありませんでした」
2024年10月、「零日攻撃 ZERO DAY ATTACK」の脚本・プロデューサーである鄭⼼媚(チェン・シンメイ)は日本での記者会見でこう語った。台湾有事を題材にすることは、それほど大きなリスクを伴うことだ。作品に参加すれば中国市場での活動が制限される可能性もあり、実際にキャスティングは難航したという。
そんななか、リェン・ユーハン(以下、リェン)、ヤン・ダージャン(以下、ヤン)の2人は出演を快諾した。
リェン これは台湾ならではの、台湾でしか撮れない作品です。台湾は自由に創作ができ、役者が自由に作品を選べる場所。制限を受けずにいられることが大切だと思います。
ヤン 非常にセンシティブで、現在の台湾でもタブー視されている題材です。それでも、台湾と中国の関係と現状を広く伝えるためにもやるべきだと思いました。このようにクリエイティブな作品に携われることを心から光栄に思います。
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