カナダ政府は米国製品に課していた報復関税のうち、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)に準拠する製品に関しては撤廃する。トランプ政権との緊張緩和を図る狙いがある。
カーニー首相が22日、閣議後に今回の決定を発表。これに先立ち伝えていたブルームバーグの報道内容を確認した。これにより、USMCAの規定に準拠していれば、米国製の幅広い消費財について25%の関税が撤廃される。9月1日から適用する。
ただ、米国産の鉄鋼・アルミニウム製品や自動車に対しては、引き続き25%の輸入関税を維持する。

握手するカーニー首相(左)とトランプ大統領
Photographer: Chip Somodevilla/Getty Images
カーニー氏は今回の決定について、向こう数カ月に始まるとみられるUSMCAの見直し協議に向けた地ならしの一環であることを示唆した。
トランプ大統領はカーニー氏の決定を歓迎し、両首脳が近く会談を行う予定だと明らかにした。
トランプ氏は「われわれは取り組んでいる。カナダとはとても良い関係を築きたい」とホワイトハウスで記者団に語った。カーニー氏について「とても好きだ」とも述べた。両首脳は前日、電話協議を行っていた。
匿名を条件に語った関係者によると、ラトニック商務長官はカナダ側との協議で、対米報復関税が本格的な交渉の障害となっており、カナダを不利な立場に置いていると伝えていた。
原題:Canada to Drop Many Counter-Tariffs in Olive Branch to Trump (1)(抜粋)
(カーニー首相の正式発表の内容を追加して更新します)

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