バイナンス・オーストラリア、規制当局から外部監査人を置くことを求められる──ガバナンスに深刻な懸念

バイナンス・オーストラリアは、同国のマネーロンダリング対策当局(AUSTRAC)から外部監査人の任命を指示された。

AUSTRACは、バイナンス従業員の離職率の高さ、現地でのリソース確保と上級管理職による監督体制の不足を理由に、アンチマネーロンダリングのガバナンスに懸念を表明した。

バイナンス・オーストラリアは、AUSTRACの審査対象となる外部監査人を28日以内に指名しなければならない。

バイナンス・オーストラリア(Binance Australia)は、同国のマネーロンダリング対策当局であるオーストラリア取引報告・分析センター(AUSTRAC)から外部監査人の選任を指示された。

AUSTRACは、同取引所のアンチマネーロンダリング/テロ資金供与対策(AML/CTF)の体制に「深刻な懸念」があることを確認したと発表した。

バイナンス・オーストラリアは、AUSTRACの審査対象となる外部監査人を28日以内に指名するよう命じられている。

AUSTRACは、バイナンス・オーストラリアの高い離職率、同国内のリソース不足、そして上級管理職による監督体制の不備を理由に、AML/CTFガバナンスに懸念を表明したと述べている。

ブルームバーグの報道によると、バイナンス・オーストラリアとニュージーランドのゼネラルマネージャーであるマット・ポブロッキ(Matt Poblocki)氏は「過去数カ月にわたり、AUSTRACとオープンかつ透明性のある形で協議を重ねており、彼らの指導、専門知識、そして監督体制を高く評価している。当社は引き続き、最高水準のコンプライアンス基準を維持することに尽力し、能力を継続的に向上させていく」と述べている。

バイナンスはCoinDeskからの追加のコメント要請に応じていない。

バイナンスは長年にわたり、各国の規制当局との関係が難航してきた。2021年には複数の規制当局が同取引所が適切な認可を受けていない(あるいは認可が不十分である)として警告を発した。この状況は2024年に頂点に達し、創設者のCZことチャンポン・ジャオ(Changpeng Zhao)氏がマネーロンダリング法違反で実刑判決を受け、アメリカの刑務所で4カ月の刑に服した。

AUSTRACはここ数カ月、暗号資産(仮想通貨)業界の監督に積極的な姿勢をとろうとしており、最近では暗号資産ATMが詐欺に利用されているとの懸念から、ATMプロバイダーに対して一連の措置を講じた。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Binance Australia Directed to Appoint External Auditor Over ‘Serious Concerns’

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