ホワイトハウスのナバロ上級顧問(貿易・製造業担当)は21日、インドが引き続きロシア産原油を購入していることを非難し、同国からの輸入品に対する50%の懲罰関税が予定通り来週発動される見込みだと明らかにした。
米国は27日に対インド関税率を従来の2倍に引き上げる予定。これについて質問されたナバロ氏は、ホワイトハウス前で記者団に対し、「そうなるとみている」と発言。さらに「インドは流血における自らの役割を認めたくないようだ。それどころか、実際にやっているのは中国の習近平国家主席との関係強化だ」と述べた。
インドはロシア産原油の購入を継続する方針を示している。米国による50%の関税発動を前に、モディ政権はロシアとの長年の友好関係をあらためて強調し、ここ数日で中国との緊張緩和にも動いている。
インドは2022年のロシアによるウクライナ侵攻開始後、ロシアからの原油輸入を拡大してきた。当時、主要7カ国(G7)はロシア産原油に対し1バレル=60ドルの価格上限を設定。クレムリンのエネルギー収入を抑える狙いがあった。トランプ政権はインドによる購入がロシアの戦費調達につながるとみている。
ナバロ氏は「インドは石油を必要としていない。これは石油精製利益を分配する仕組みだ。クレムリンの資金洗浄システムに過ぎない」との見方を示した。その上で「モディ首相は偉大な指導者だが、世界経済における自らの役割に目を向けてほしい。今やっていることは平和をもたらすのではなく、戦争を長期化させている」と訴えた。
モスクワに本拠を置くカサトキン・コンサルティングによると、インドはロシアの石油輸出の37%を占める。
インドのジャイシャンカル外相は21日、モスクワで記者団に対し、ロシア産原油購入に関する米国からの脅しや批判に「困惑」していると指摘。「ここ数年、米国からは、世界のエネルギー市場を安定させるため、ロシアからの石油購入を含むあらゆることをすべきだと言われていた」と語った。
中国の徐飛洪・駐インド大使はXへの投稿で、「中国は多国間貿易体制を維持し、国際的な公正と正義を守るため、揺るぎなくインドと共にある」と表明した。
Glad to deliver a speech on the development of China-India relations and explore right ways for neighboring major countries to get along with each other at “SCO Summit 2025: Resetting India-China Ties”. China firmly stands with India to uphold the multilateral trading system and… pic.twitter.com/0Po7CNTJ8p
— Xu Feihong (@China_Amb_India) August 21, 2025
原題:Navarro Slams India’s Russian Oil Purchases as 50% Tariffs Loom(抜粋)
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