世界の債券ファンドが行っている、いわゆるスティープナー取引に、ニュージーランド準備銀行(中央銀行)が追い風をもたらした。

  NZ中銀は20日、市場の予想通りの利下げを実施したが、その後に発表した声明は予想以上にハト派的だった。中銀のスタンスは、長期債と短期債の利回り格差が拡大する局面で利益を得るカーブスティープナー戦略への追い風となった。

  2年債利回りは16ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下。30年債利回りは約7bp低下だった。

  今回の動きは、米国債を含む世界の債券市場で、イールドカーブがさらにスティープ化する可能性を示唆している。

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  トロント・ドミニオン銀行のアジア太平洋地域シニア金利ストラテジスト、プラシャント・ニューナハ氏は「NZ中銀はインフレ率が今後やや上昇すると見込まれているにもかかわらず利下げのシグナルを発した」と指摘。「スティープナーは今まさに有効な取引戦略だ」と述べた。

New Zealand's Yield Curve Is Steeper Than Major Peers | Yield spread between 5- and 30-year notes

 

 

 

  ペッパーストーン・グループのシニアリサーチストラテジスト、マイケル・ブラウン氏は、NZ中銀の動きは「『短期ゾーンの買い』を明確に後押しする」とした上で、世界的に「長期ゾーンに魅力を見いだす理由はほとんどない」と指摘した。

  長期債については、財政支出拡大や貿易戦争によるインフレ圧力を投資家は意識している。

原題:Bond Traders’ Steepener Bets Boosted by RBNZ’s Dovish Surprise(抜粋)

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