米国との関税合意は想定に近い水準、貿易多様化すべき=ECB総裁

 8月20日、欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁(写真)は、米国と欧州連合(EU)の貿易協定は想定水準を若干上回ったが大きくかけ離れてはいないとの見方を示した。フランクフルトで7月撮影(2025年 ロイター/Heiko Becker)

[フランクフルト 20日 ロイター] – 欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は20日、米国と欧州連合(EU)の貿易協定は想定水準を若干上回ったが大きくかけ離れてはいないとの見方を示した。

総裁はジュネーブで「今回の貿易協定ではユーロ圏の商品に対する米国の実効関税は平均で12%ー16%と推計される」と指摘。

「これは昨年6月のベースライン予測で使用した想定を若干上回っているが、それでも近い水準だ。関税が20%を超えるという深刻なシナリオを大きく下回っている」と述べた。

ECBは6月、ベースライン予測で来年の経済成長率を1.1%、深刻なシナリオでは0.7%としていた。

ラガルド総裁は、米国との貿易協定は依然として経済成長の重しとなる可能性が高いとし、予想されていた減速は第2・四半期の経済データですでに明らかになっていると語った。

その上で成長を維持し関税の悪影響を相殺するため他国との貿易を多様化すべきとし、「米国は今後とも重要な貿易相手国だが、欧州は輸出志向型経済の強みを生かし、他の地域との貿易関係の深化を目指すべきだ」と述べた。

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