戦前建築からアメリカ統治期まで 建物に刻まれた暮らしの記録と記憶
2019年に刊行された『沖縄島建築 建物と暮らしの記録と記憶』が第6回沖縄書店大賞〈沖縄部門〉で準大賞を受賞し、9刷目の重版が決定した。『味なたてもの探訪』シリーズ第2弾として刊行された本書は、木造・コンクリート建築、赤瓦やセメント瓦といった屋根素材、琉球・日本・アメリカの文化が交錯する沖縄の街並みと建物を通して、人びとの暮らしの記録と記憶を描き出す。
取材対象は、戦前に建てられた現存数の少ない建物から、戦後のアメリカ文化の影響が色濃く残る住宅や商店まで10軒に及ぶ。住宅建築としての意匠や構法、地域で培われてきた暮らしの知恵や生活のかたちを、建築と暮らしの両面から紹介する。巻末には沖縄本島を北部・中部・南部・那覇の4エリアに分け、各地で見るべき建築を写真と専門的な解説で紹介したマップを収録。さらに、沖縄の商店文化や建築的アイデアに焦点を当てたコラムも掲載され、読み物としての魅力も高い。通常の観光ガイドブックでは味わえない沖縄の建築文化の奥深さに触れることができ、旅行者だけでなく建築や地域文化に関心を持つ読者にも広く支持されている。
『沖縄島建築 建物と暮らしの記録と記憶』書籍情報
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