ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2025.08.19 09:43

ロシアのプーチン大統領が戦争中断の条件として譲歩を要求したウクライナのドンバス地域は旧ソ連時代から産業的、戦略的な要衝地だった。ドンバスとはウクライナ東部のロシア国境付近ルハンシク(ルガンスク)・ドネツクを含む地域をいう。1783年にクリミア・ハン国が滅亡した後、ロシア帝国に編入されたドンバスは当時、欧州で膨張するロシア帝国を象徴する地域の一つだった。ソ連時代には石炭など豊富な地下資源と黒海に接した地理的利点のため工業都市として発展し、一時は「ロシアの心臓」と呼ばれたりもした。ウクライナがロシアから独立した後もドンバスには防衛産業に必須の鉄鋼・化学工業団地が定着した。プーチン大統領にとってドンバスはソ連の栄光の象徴であると同時に産業的要衝地としての意味がある。

ドンバス編入は戦争を始めたプーチン大統領の名分でもあった。プーチン大統領はドンバス地域でウクライナ政府軍と親ロ反軍の内戦が激しくなると、「ロシア系住民を保護する。ウクライナ東部はロシアのかつての領土」とし、2022年2月にウクライナで軍事作戦を承認した。ロシアとウクライナの戦争の開始だった。ドネツク州の住民75%、ルハンシク州の住民69%がロシア語を使うなど親ロ性向の住民の間ではウクライナからの分離・独立を主張する声が多かった。13日のウクラニアのキーウポストによると、ロシアはドネツク地域の75%、ルハンシク地域の99%を占領している。

ニューヨークタイムズ(NYT)は17日(現地時間)、「ソ連とロシア帝国の栄光を再現しようとするプーチン大統領にとってドンバスは今回の戦争の核心」とし「(プーチン大統領は)ドンバスを得るためなら他の領土を取引する意向もあるはず」と分析した。

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