株式会社SENRIは、インクルージョン・ジャパン株式会社、SMBCベンチャーキャピタル株式会社、イーストベンチャーズ株式会社、株式会社サムライインキュベートを引受先とする第三者割当増資により、総額約2億円の資金調達を実施しました。
今回の資金調達は、アジア・アフリカ地域における事業拡大と大手顧客向け機能の高度化を推進することを目的としています。
SENRIは営業・流通管理をデジタル化するSaaS型プラットフォームを提供し、これまでに12カ国・200社以上で導入されてきました。今後はさらなる機能強化や地域展開を進め、2027年までに顧客数600社を目指す方針です。
断片的な流通網をつなぐSENRIの挑戦
SENRIは「必要なモノが必要なヒトに届く社会をつくる」というビジョンのもと、アジア・アフリカの製造業に対し、営業・受発注・配送を一元的に管理するプラットフォームを展開しています。
アフリカ・アジアには3000万を超える伝統的小売店が存在し、これらの市場では流通網が断片化し、製造業にとって顧客開拓や効率的な営業が大きな課題となってきました。
従来は紙や口頭に依存した非効率な取引が主流であったため、営業チームの行動管理や受発注の効率化が難しい状況でした。
SENRIはこの課題に正面から取り組み、営業・卸・小売を横断したデータの可視化や基幹システムとの連携機能を強化し、大手企業における流通戦略の再設計や実行を支援しています。
特にインドネシアでの成功を皮切りに、ベトナムやマレーシアへの導入が進み、フマキラーインドネシアやオムロンヘルスケアインドネシア、味の素ナイジェリアなど大手企業の現場でも活用されるようになっています。
こうした取り組みの結果、SENRIはアジア・アフリカ双方における流通現場で存在感を高めています。
投資家が語るSENRIの成長可能性
今回の資金調達に参画した投資家は、SENRIの社会的価値と市場ポテンシャルを高く評価しています。
インクルージョン・ジャパン株式会社の竹丸淳志氏は、東南アジアでも在庫管理や販売データの欠如が深刻な課題となっていることを指摘し、SENRIが同地域にソリューションを提供できる点を強調しました。
また、SMBCベンチャーキャピタル株式会社の今枝秀彬氏は、グローバルサウスにおいて依然としてPOSデータが整備されていない市場環境に触れ、SENRIが販売活動の可視化を通じて消費財メーカーや小売企業の市場攻略を支えていると評価しました。
これらのコメントは、SENRIが単なる営業支援ツールにとどまらず、未整備の市場における新たな流通インフラとして成長できる可能性を示しています。投資家からの支援は資金面だけでなく、事業成長を全方位から支える姿勢が表れており、今後の成長に大きな後押しとなります。
今後の展望と長期的ビジョン
SENRIは今回の資金調達を契機に、さらなる成長戦略を推進します。
具体的には、①インドネシアをはじめとする東南アジアでの本格展開、②生成AIを活用した営業・在庫データの解析によるプロセス自動化と意思決定支援、③流通の川下に位置する卸や小売店舗との在庫管理・連携の強化を重点領域としています。
こうした取り組みを通じて、SENRIはアジア・アフリカの広域流通を支える基盤的存在を確立しようとしています。
代表取締役CEOの永井健太郎氏は「10年後、20年後にはアジア・アフリカの流通インフラそのものを支えるプラットフォームを築いていきたい」と述べており、持続的な成長に向けた強い意志を示しています。
すでに12カ国・200社以上での導入実績を持つSENRIは、2027年に顧客数600社を目指し、長期的にはアジア・アフリカの流通構造を変革する存在として進化を続けていく方針です。
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