年初に、精力的な展開を宣言した通り、短いスパンで、次々と端末を展開している、シャオミのPOCOブランド。7月8日には、「POCO F7」を発売した。本記事では、メーカーから借りた「POCO F7」をもとに、レビューをお届けする。
POCO F7は、POCOブランドの中では、ハイエンドクラスとして定められているFシリーズの中で、スタンダードなモデルという位置付け。公式ストアでの販売価格は、5万4980円と、ハイエンドシリーズとしては破格の値付けになっている。
ブランド全体の特徴ではあるが、今回も価格に対する高い処理性能が魅力のスマートフォンとなっており、スペックを何よりも重視するユーザーにとっては、注目の1台だ。
6.83インチの大画面ディスプレイは1.5K解像度に対応
POCO F7は6.83インチの大型ディスプレイを搭載。解像度は1.5K、リフレッシュレート最大120Hz、タッチサンプリングレート最大480Hzとなる。
ディスプレイ性能としては、フラッグシップモデル顔負けという印象で、色合いの表現もよく、非常に高水準にまとめられている。ベゼルも細く、大画面を活かしたコンテンツの表示も、満足度が高い。
標準輝度は700ニト、HBM輝度は1700ニトで、ピーク輝度は3200ニトとなる。特にピーク輝度は、画面の25%の表示領域をカバーするとあるように、屋外での視認性も高い。直射日光下でも、あまりストレスなく使用できている。
本体の大きさは163.1×77.9×8.2mmとなる。大画面がゆえでもあるが、近年のスマートフォンとしては、横幅がかなり広く、手が小さい筆者からすると、持ちにくさを感じるが、動画やゲームといったコンテンツを表示するときに、画面欠けが少なく、幅広い表示ができるのは、1つの魅力だと感じている。
重さは215.7g。サイズを考えれば順当な質量ではあるが、持っているとやはりそれなりの重さは感じる。今回はケースをつけずに試しているが、ケースをつけ、より厚みや幅、重さが出ると考えると、使いにくさを覚える人は多そうだ。
カラーバリエーションはシルバー、ブラック、ホワイトの3色展開。スケルトン風のデザインになっているシルバーが特徴的ではあるが、今回試しているホワイトは、主張しすぎないツートンカラー、カメラ周りの印象的な差し色が特徴。
POCOブランドの特徴である、ゲーミングっぽさも残しながら、普段使いもしやすい、落ち着いたデザインにまとまっている。
電源ボタン、音量ボタンは、本体右側面に集約される。右手で本体を持った際に、自然と親指が触れる位置にボタンが来るようになっているため、押し間違いも少なく、ストレスなく使用できる。
日本初登場になったSnapdragon 8s Gen 4の実力
搭載SoCは、日本で発売されるスマートフォンには初めて搭載される、Snapdragon 8s Gen 4となる。メモリは12GB、ストレージは256GBか512GBから選択できる。
ハイエンドシリーズのSnapdragon 8シリーズの中では、少しスペックを抑えられたsシリーズではあるが、性能的には申し分ない。
感覚としては、1世代前のフラッグシップSoCに肉薄する処理能力という印象。アプリの起動、Webブラウジング、動画再生程度の作業であれば、全くストレスを感じない動作性となる。
「原神」といった、ヘビーなアプリゲームで、グラフィックスを最高に設定していても、比較的安定して、長時間プレイできる。詳しくは後述するが、バッテリー性能持ちもいいため、屋外でもサクッとゲームがしたいというニーズには、しっかりと応えられる印象だ。
ゲームプレイ時の各種設定ができるGAME TURBOも搭載
ただし、長時間プレイしていると、本体がそれなりに熱を持つのが少々気になる。どのスマートフォンでも言えることではあるが、直射日光下などでは、あまりヘビーに使用しないほうがいいだろう。
SoCの性能は年々アップデートされている一方で、高い性能を使うコンテンツは、そこまで広く浸透していないようにも思う。
今後、AI機能が拡充していくことで、SoCの性能がより求められていく可能性もあるが、今時点では、最上位ではないSnapdragon 8s Gen 4であっても、使用していて、スペック不足を感じるシーンはほぼない。
AIの発展に期待し、数年間は同じスマートフォンを使う想定をして、長く活躍できるフラッグシップクラスのスペックを求めるのか、現状で満足感のあるスペックを求めるのかという選択をするのであれば、5万円台で購入できるPOCO F7は、次の端末にも買い替えやすい価格であるため、有力な候補になり得るだろう。
XiaomiオリジナルのAI機能とGoogle Geminiに対応
AI機能としては、Xiaomiブランドでも提供されているAIライティング機能や、日本語でもリアルタイムに文字起こしができるAI音声認識機能、リアルタイムに通訳ができるAI通訳などが利用できる。
比較的日本語の認識能力も高く、文字起こし機能なども安定して使える印象。ただし、文字起こしはクラウドで処理されているため、オフライン時には利用できない。
そのほか、GeminiオーバーレイやGemini Live、画像生成、かこって検索といったグーグルのAI機能も一通り利用できる。近年のAndroidスマートフォンとしては、標準的なAI機能と言えるが、5万円台の端末で、満遍なくAI機能が使えるのが、1つの魅力だろう。
大容量バッテリーとリバース充電が特徴
POCO F7の特徴は、6500mAhの大容量バッテリーを搭載している点。公称値では、16時間以上の継続利用、20時間以上の動画再生、15時間以上の音楽再生が可能となっているように、体感としても、本体温度が極端に上がるような環境でなければ、バッテリーの持続時間はかなり長い印象を受ける。
また、90Wの急速充電に対応しているだけでなく、大容量バッテリーを活かし、22.5Wのリバース充電機能が利用できるのも魅力。
昨今はモバイルバッテリーの取り回しも社会問題になっているが、メインスマートフォン1台に、緊急時のバッテリー兼サブ端末として、POCO F7を持つというのも、1つの選択肢だろう。
生体認証は顔認証、指紋認証の両方に対応し、IP68の防塵防水性能も有する。一方で、おサイフケータイ機能には非対応となっており、モバイルSuicaといった交通系ICの登録が必須という人には向かず、スマホ用電子証明書への対応も、期待が薄い。
日本ローカライズの物足りなさがあるが、その分安価であると考えれば、納得できる人も一定数いるはず。
ただし、POCOブランドとして、今年発売されたモデルを価格で比較すると、少し下にはPOCO X7 Pro、少し上にはPOCO F7 Proがあり、価格と必要な性能のバランスを正確に見極められる人でないと、購入するモデルを決めがたいという懸念はある。
いずれのモデルも、コスパという意味では優れているため、ローカライズはさておき、安く、高スペックなモデルが欲しい人は、注目するべきブランドだ。
もちろん、モデル間の明確な違いはわからないが、「デザインが好きだからこれ」という選び方もありだろう。店舗数は少ないが、世界的に見ても珍しく、日本ではPOCOブランドの端末が直販店で触れるというアドバンテージもあるので、機会があれば、実機をチェックしてみるのもおすすめだ。
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