補助金で販売テコ入れ

日産は、英国で販売しているEV『アリア』のグレード構成を見直し、価格を改定した。新たに導入されたEV購入補助金(ECG)の対象とすることで、6000ポンド(約120万円)以上の値下げを実現した。

この補助金は、車両価格3万7000ポンド(約740万円)以下の新車に適用されるが、これまでのアリアは最も安いグレードで3万9645ポンド(約790万円)と、しきい値を上回っていた。

日産アリア(欧州仕様)日産アリア(欧州仕様)

そこで、日産はラインナップを調整し、新たに『シロ』というエントリーグレードを追加することで1500ポンド(約30万円)の補助金の対象とした。価格は3万3500ポンド(約670万円、補助金適用後)だ。

小型の63kWhバッテリーを搭載しているが、大容量の87kWhバッテリー搭載車も3万5500ポンド(約710万円)から販売され、同じく補助金の対象となっている。

駆動方式は前輪駆動のみ。四輪駆動モデルは4万5500ポンド(約910万円)のため、補助金が適用されない。ちなみに、最上位グレードの『ニスモ』は5万6630ポンド(約1130万円)から。

今回の価格改定により、日産が現在英国で販売している2車種のEVはいずれも補助金の対象となった。新型マイクラのエントリー価格は2万1495ポンド(約430万円、補助金適用後)に引き下げられている。

日産英国法人のジェームズ・テイラー社長によると、まもなく発売予定の新型リーフも、3750ポンド(約70万円)の補助金を受けられる「有利な立場」にあるという。

マーケティング責任者のフィオナ・マッケイ氏は、「英国政府の1500ポンドのEV補助金を受ける資格を確保したことで、アリアはこれまで以上にお求めやすくなりました。顧客が期待する革新性、デザイン、パフォーマンスを損なうことなく、より大きな価値を提供し、EV所有の障壁を取り除き、より多くのドライバーがゼロ・エミッションへ切り替えられるようにするという当社の取り組みによるものです」と述べた。

日産は欧州向けのEVラインナップの拡大を進めており、新型リーフに続き、2026年にはジュークのEVモデルを発売する予定だ。

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