(CNN) 米ワシントン州に住む母親と6歳の息子が、カナダへ短期間渡航する際の書類上のささいなミスが原因で、3週間以上にわたり米移民当局の収容施設に勾留されたことがわかった。母親の弁護士が16日にCNNに明らかにした。
ニュージーランド国籍のサラ・ショーさん(33)は2021年から合法的に米国に住んでいる。故郷の祖父母を訪ねる上の2人の子どもをカナダ・バンクーバーの空港まで送り、米国に帰国したところ、ワシントン州ブレインの税関・国境警備局(CBP)の検問所で拘束された。
バンクーバー発の便を選んだのは、子どもたちが乗り継ぎをせず直行便で向かえるようにするためだったという。
ショーさんと息子は米国への有効な入国書類は持っていたが、ショーさんは米国を出国・再入国できる旅行許可証の有効期限が切れていることを認識していなかった。
弁護士によれば、ショーさんは、米国への入国と帰宅を認める人道的仮釈放を申請したが却下された。
息子の書類は最新のものであったため、ボーイフレンドか友人が息子を迎えにくることを認めるよう頼んだが、それも却下されたという。
一家は、自宅から約3200キロ離れたテキサス州ディリーにある収容施設に移送された。
テキサス州南部ディリーの移民収容施設=2019年8月23日/Eric Gay/AP/File
ショーさんの拘束は、トランプ政権による移民取り締まりを示す新たな事例の一つだ。トランプ政権は、暴力犯罪者に的を絞った対策を掲げているにもかかわらず、ショーさんのような合法的な居住者も巻き込んでいる。
ショーさんは「コンボカード」と呼ばれる、就労許可証と渡航許可証を兼ねた書類をもとに米国に滞在していた。許可証はワシントン州での仕事を通じて取得していたという。
ショーさんは6月、就労許可証の更新確認書を受け取ったが、渡航許可も延長されたと誤解していた。これは「事務手続き上の軽微なミス」だったと弁護士は述べている。
弁護士によれば、ショーさんはフルタイムの仕事を持ち、アパートでは犬を飼い、新しいボーイフレンドもいる。子どもたちは学校に通い、つつがなく暮らしていた。「彼女はミスを犯したが、前科は全くない」
CBPにはショーさんを拘束するのではなく、人道的仮釈放を認める裁量権があったという。弁護士はふたりを拘束することは「不必要で不適切、かつ非人道的だった」と主張する。
ショーさんの友人ビクトリア・ベザンコンさんはCNNに対し、ショーさんは窮屈な収容施設で3週間を過ごし、「信じられないほどの孤立感」を感じていたと語った。
ベザンコンさんによれば、「各部屋には2段ベッドが5~6個あり、午後8時から午前8時まで施錠されている」。電話やビデオチャットは可能だったという。
「子どもたちがやることなどあまりない。塗り絵くらいだろうか。外に出られる時間なんてない」と弁護士は話し、気温36度を超えるテキサス南部で、収容された人々はうだるような暑さにさらされていると訴えた。
移民収容施設に子どもと共に収容された他の母親らも同様に心に傷を負う体験だったと述べ、子どもたちには精神的影響が残ると訴えている。
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