北海道ではFIT目当ての小型風力発電が急増。しかし、脱炭素への貢献はほとんどないうえ、トラブルに自治体が対応できないなどの問題が生じている。

稼働済み施設への対応も難しく

 北海道は全国の中でも再生可能エネルギー(再エネ)導入ポテンシャルが高く、脱炭素社会の構築に向けて重要な役割を果たしている。特に風力発電のポテンシャルは全国随一で、環境省が公表している「REPOS(再生可能エネルギー情報提供システム)」によれば、陸上風力のポテンシャルは全国の51.1%、洋上風力は28.5%と、いずれも全国1位である。風況の良い道内日本海沿岸地域では、総出力100万キロワットの洋上風力発電から、20キロワット未満の小型風力発電に至るまで、多くの事業が構想されている。

 一方で、風力発電の急激な広がりにより、立地地域ではトラブルも発生している。今回はその多くが日本海沿岸の過疎地域に集中し、全国的かつ普遍的な問題として認識されにくい小型風力発電問題を取り上げる。

 小型風力発電とは、風車の直径が16メートル以下かつ受風面積200平方メートル以下(JIS規格)で、出力規模20キロワット未満のもの(電気事業法による定義)を指す。自家消費型の電力利用が可能であることや、設置面積が小さく場所を取らないことなどから、電力の地産地消型まちづくりへの利用に適している。2012年7月の固定価格買い取り制度(FIT制度)開始当初、小型風力の調達価格は1キロワット時当たり55円+税と、全電源種の中で最も高かった。

認定837件も稼働3%

 ところが、この調達価格の高さに加え、環境影響評価法(環境アセスメント)の対象外であることから、小型風力は「地産地消型まちづくり」ではなく、「外部事業者による投資案件」としての性格を強めることとなった。15年ごろからFIT事業認定数が急増し、17年3月末の認定件数は全国で6400件、北海道…



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週刊エコノミスト

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