近年、米国にモノや人が流れ込みにくくなっている。関税政策により輸入が滞り、移民政策では不法移民の流入が減少した。だが最も影響が大きいのは人の往来が冷え込んでいることだ。トランプ大統領は「1カ月間、不法移民が1人も入国しなかった」と豪語しているが、現在では、合法的な移民すら寄りつかなくなっている。米国を「国際交流を好まない国」と見なす声が広がり、観光客、留学生、学者・研究者の間で米国離れが進んでいる。

 観光業界ではその傾向が顕著だ。例年、多くの外国人観光客でにぎわうワシントンDCの桜祭りも、今年はカナダからの来訪者が激減。欧州からの観光客も落ち込み、米観光業界は多大な損失を被っている。オックスフォード・エコノミクスが発表した調査によると、移民政策や関税政策などの影響で、米国を訪れる外国人旅行者の支出は約85億ドル(約1兆2700億円)減少する見込みだという。

 米政府は、観光客誘致のプロモーション「ブランドUSA」の予算を5分の1に削減し、入国申請料(ESTA〈電子渡航認証システム〉)の引き上げも決定。一方、国境を整備するインフラ資金は増大している。「米国に来るな」と言わんばかりのシグナ…



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週刊エコノミスト

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