公開日時 2025年08月17日 05:00

青森スタバに「りんご隊」 人手不足に危機感、魅力伝え社内企画
スターバックスコーヒー店内に設置されたボードと写真に納まる「りんご隊」のメンバー=6日、青森県弘前市

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琉球新報朝刊

 青森県弘前市のスターバックスコーヒーの店舗従業員が特産のリンゴの魅力を発信しようと、「りんご隊」を結成した。農家の高齢化が進み、人手や後継者が不足していることに危機感を抱き、「おいしいリンゴを未来につなげたい」と地道に活動を続ける。
 りんご隊は2019年、社会を変えるアイデアを発掘する社内プロジェクトへの応募をきっかけに結成。実家がリンゴ農家の山中紗也佳さん(36)を中心に4人が集まった。山中さんは農家の抱える課題を探ろうと、アンケートを自作。「回答した農家50人のうち、9割が労働力不足を訴えた」という。こうした現状を受け、1年目はメンバーで農作業の手伝いに足を運んだ。
 20年に入り新型コロナウイルスの感染が拡大すると、次第に農家に出向くことが難しくなった。そこで地元の人たちにリンゴの魅力を伝え、農作業を身近に感じてもらおうと、店内のボードで情報を発信することにした。
 スタバらしくアップルパイに合うコーヒーを紹介するほか、病害虫からリンゴを守るための「袋かけ」など時期ごとの作業や、やりがいなども記す。きついとマイナスの印象を持たれることもあるが、隊員の三浦リナさん(47)は「手伝いたいと思う弘前市民が一人でも増えたら」と意気込む。
 今年は農家での栽培体験会も開始。7月の袋かけには、4人の思いに共感した従業員ら約40人が参加した。

 

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