先祖の霊などをまつった舟に火をつけて川に流す、送り盆の伝統行事「舟っこ流し」が16日、盛岡市の北上川で行われました。
「舟っこ流し」は、およそ300年前の江戸時代に、南部藩の4代藩主、南部行信の娘が死者の霊を弔う法要を北上川で行ったことが始まりとされています。
北上川の河川敷では黙祷を捧げたあと、竜がかたどられた色とりどりの12そうの舟を担ぎ手たちが次々と川に運び入れました。
そして、仕掛けられた花火や爆竹に火がつけられ、パチパチという音とともに舟は炎に包まれながらゆっくりと川を下っていきました。
参加する舟は年々減っていますが、ことしは新しい舟が1そう参加したということです。
舟には戒名が書かれたお札がのせられていて、訪れた人たちは燃え上がる炎に思いをはせて先祖の霊を慰めていました。
また、東日本大震災以降は先祖の供養だけでなく、震災で犠牲になった人々の追悼や復興への願いも込められているということです。
北上川の両岸には多くの人たちが集まり、川を下っていく舟を写真を撮るなどしながら、見送っていました。
青森県八戸市から来た32歳の男性は「八戸の三社大祭にも負けないくらい迫力があってきてよかった。来年もまた来たい」と話していました。
釜石市から来た62歳の男性は「毎年来ていますが迫力があってよかった。参加する舟がもっと増えて、ずっと続いて欲しい」と話していました。

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