米小売売上高、7月も堅調 前月比+0.5%

 米商務省が15日発表した7月の小売売上高(季節調整済み)は前月比0.5%増加で、ロイターがまとめたエコノミスト予想と一致した。ニュージャージー州ノースバーゲンで4月撮影(2025年 ロイター/Siddharth Cavale)

[ワシントン 15日 ロイター] – 米商務省が15日発表した7月の小売売上高(季節調整済み)は前月比0.5%増加し、ロイターがまとめたエコノミスト予想と一致した。自動車需要が底堅かったことに加え、一部小売業者が9月の新学期に向けた商戦を開始したことで押し上げられた。ただ、労働市場が減速する兆しが出る中、個人消費の伸びは第3・四半期に鈍る可能性がある。

前年比では3.9%増加。7月はアマゾン(AMZN.O), opens new tabやウォルマート(WMT.N), opens new tabなどが新学期関連商品などの安売りを行った。また9月末の連邦税優遇措置終了を前に電気自動車(EV)の販売も伸びたという。

6月は前月比0.6%増から0.9%増に修正。
雇用増の鈍化を受け経済活動が停滞しているとの懸念が一部和らいだ。

ただ、この日発表のほかの米経済指標では、米ミシガン大学の8月の消費者信頼感指数(速報値)が市場予想に反し低下したほか、労働省発表の7月の輸入物価指数は前月比0.4%上昇。米政権による関税措置の影響でインフレが加速する兆候が示された。ブリーン・キャピタルのシニア経済アドバイザー、コンラッド・デクアドロス氏は「米連邦準備理事会(FRB)による9月会合での利下げを裏付ける経済指標は得られていない」としている。

<コア小売売上高、0.5%増>

自動車、ガソリン、建設資材、食品サービスを除くコアの小売売上高は0.5%増。6月は0.5%増から0.8%増に上方修正された。

エコノミストの試算によると、7月のインフレ調整後のコア小売売上高は0.3%増加したとみられる。

FWDBONDSのチーフエコノミスト、クリストファー・ラプキー氏は「小売売上高で経済全体の状況を完全に把握することはできないが、少なくとも消費者は急激に支出を控えているわけではなく、今四半期の穏やかな経済成長継続の見通しは前向きである」と指摘。「しかし、輸入関税によるモノの価格上昇の大半は現時点では見られておらず、今後数カ月で価格上昇に対する消費者の反応を見ることになるだろう」と述べた。

自動車が全般的な増加をけん引し、自動車販売店は1.6%増。6月は1.4%増だった。JPモルガンのアナリストは、連邦政府が電気自動車(EV)への税額控除を終了する9月30日を前にした買い急ぎが自動車販売を押し上げたとの見方を示している。

オンライン販売は0.8%増加。6月は0.9%増だった。

衣料品小売店は0.7%、家具は1.4%、スポーツ用品・趣味用品・楽器・書籍は0.8%、それぞれ増加した一方、建材・園芸用品は1.0%、電気・家電量販店は0.6%、それぞれ減少した。

サービス部門として小売統計に唯一含まれる飲食店は0.4%減と、6月の0.6%増から反転した。エコノミストは外食を家計の重要な指標と見なしている。

A column chart titled A column chart titled “Monthly change in US retail sales” that tracks the metric over the last year.

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