未来の災害に備える 震災・防災の学びあい~NHKプラスで8/21まで配信~
※NHKプラスで 8/21(木) 午前10:00 まで見られます
番組ホームページはコチラ>>
NHKが提案する震災・防災を学ぶ新たな授業「未来へのバトン」
授業の進め方を振り返ります。
東日本大震災を体験した人たちのエピソードを教材に、生徒たちが自分の言葉で語り合う防災の特別授業「未来へのバトン」。第1回は「災害とつながり」をテーマに、高知市立南海中学校で行いました。
このページでは、「自分も同じような授業やワークショップをやってみたい!」と思われた人のために、番組で紹介した「授業の進め方のポイント」をまとめました。
監修したのは、元中学校の先生で、今は立正大学で学校教育について研究している鹿嶋真弓さんです。鹿嶋さん自身が授業を行った実感として、「中学生(1年~3年)はもちろん、高校や大学、地域活動などでも活用できるのでは?」と話しています。
「未来へのバトン~災害とつながり編~」授業の流れと進め方のポイント
【グループ分け】
今回の授業では、生徒どうしがじっくり話し合えるように、6人ずつの小グループに分かれました。クラスの人数によっては、グループの人数が変わることもあります。また、すべてのグループが同じ人数でなくても大丈夫です。
【教 材】
東日本大震災の体験談の中から、「人とのつながり」に関わるエピソードを選んで、カードにまとめました。今回の授業では、1グループを6人にしたので、違うエピソードが書かれたカードを6枚使いました。それぞれちがうカードが1枚ずつ行きわたるように配ります。

番組で紹介したエピソードカードを使ってみたい方はコチラ!>>)
授業の導入 東日本大震災を知るためのVTRを視聴(授業開始~5分)
授業の冒頭では、東日本大震災の揺れや津波、避難所について知ってもらうための映像と震災を体験した人たちのエピソードについてまとめたVTR(約3分)を視聴してもらいます。生徒たちに大災害を “自分ごと”として感じてもらうことがねらいです。
※ VTRには激しい揺れや津波の映像もあるのでご注意ください
(番組冒頭から5分30秒頃からのVTRです)
※NHKプラスで 8/21(木) 午前10:00 まで配信します
授業の展開⓵ テーマ紹介・エピソードの感想を書く(授業開始5分~15分後)
導入VTRの視聴後、授業のテーマ「災害とつながり」について伝えます。
☆鹿嶋真弓さん テーマへの導入例
人とのつながりというのがテーマです。これまでみなさんはきっと自分の命を第一優先にして、命を守るという行動を学んだと思うんですね。それはとても大事なことです。さらに、命を守ったあとに、私たちはどう生きていくのか。そのとき、人とのつながりが大きな意味を持ちます。今日はつながりに関するエピソードを読んで、災害の後、自分ならどう行動するか、どう生きていくのかを一緒に考えていきましょう。
6人ずつのグループに分かれた生徒たちは、配布されたカードのエピソードを読んで感想を記入していきます。

授業の展開⓶ エピソードの感想を共有(授業開始15分~25分後)
生徒たちが感想を書き終えた頃、次の展開に進みます。6つのエピソードの中で、同じものを読んだ生徒どうしが席を移動して集まります。そのグループの中で感想を話し合うことで、エピソードについてより深く考えることができます。他の人の感想を聞くとき、ワークシートにメモを取ります。
☆鹿嶋真弓さん エピソードの感想を共有するねらい
自分と同じ考えに対して「なぜそう考えたのかな」と耳を傾けること。自分だけの価値観で突き進むのではなく、同年代の仲間から違う価値観の感想を聞くことで、新しい考えに気づくこともあります。仲間と気持ちや考えを分かち合うことで、お互いに気づきが生まれたり、考えが深まったりすることもあります。

授業の展開⓷ 他のグループの議論を知る(授業開始25分~35分後)
授業開始から25分ほどたったら、最初に感想を記入した時のグループに戻ります。他のエピソードのグループでどんな議論があったのか、一人ずつ発表していきます。
カードの裏面に6つのエピソードすべてが書かれているので、それを見ながら自分に割り当てられなかったエピソードの議論を聞きます。
授業のまとめ まとめVTRを視聴(授業開始35分~50分後)
1.授業の終盤では、生徒たちが読んだエピソードの当事者が震災から14年を振り返ったVTRを視聴してもらいます。「災害とつながり編」では宮城県名取市の大久保凪紗さんからのメッセージを紹介しました。
(番組冒頭から23分30秒頃からのVTRです)
※NHKプラスで 8/21(木) 午前10:00 まで配信します
2. まとめVTRの視聴後、生徒たちにVTRの感想や授業の全体の感想を話し合ってもらい、お互いの気づきを共有します。
☆鹿嶋真弓さん 授業を振り返って
いま、全国各地で地震が発生し、南海トラフ巨大地震への不安も高まる中、子どもたちが災害について深く考える機会はまだ多くありません。この教材では、防災の知識や行動だけでなく、「命の大切さ」や「人とのつながり」に気づき、支え合う心を育むことを大切にしています。実際の体験談や映像があることで、生徒たちは災害を自分事として捉え、真剣に考えることができました。
番組で紹介したエピソードカードを使ってみたい方はコチラ!>>

WACOCA: People, Life, Style.