
<広・神>広島先発の大瀬良(撮影・須田 麻祐子)
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広島は13日、阪神に0―2で敗れ、今季18度目の零敗を喫した。先発・大瀬良大地投手(34)は味方守備のミスで足を引っ張られながらも6回2失点(自責0)と粘りの投球を見せたが、7敗目(5勝)がついた。今年で18回目を迎えた「ピースナイター」に被爆地の長崎県出身者として特別な思いを持って臨んだが、無念の結果となった。チームは巨人に勝った中日と入れ替わる形で、勝率差で5位に後退した。
大瀬良は、またしても特別な一戦で勝利をつかめなかった。6回を投げて散発2安打に抑えながら、守乱からの2失点(自責0)が敗戦に直結。複雑な感情が交錯する中、必死に前を向いた。
「(守備のミスを)カバーできれば良かったですけど、なかなか難しかった。もちろん、勝利を届けられたらベストだったが、今日に限っては、勝利ではないところでのいろんな思いをそれぞれが考えるゲームだったと思う。また、いい姿を見せられるようにやっていきたい」
この日は、18回目の「ピースナイター」。17年8月2日の阪神戦では6回2失点で勝敗付かず、2度目となった23年8月6日の巨人戦は5回4失点で敗戦投手となっていた。今回、自身3度となるピースナイターでの先発。被爆地・長崎県出身者として“三度目の正直”で勝利を目指したが、まさかの守乱に足を引っ張られた。
0―0の3回だ。先頭・高橋の三遊間へのゴロを三塁手のドラフト1位・佐々木が捕り損なうと、続く近本の正面のゴロを今度は一塁手のモンテロが後逸し、相次いで失策。2死となるはずが一転、無死二、三塁のピンチを招き、中野の犠飛で先制を許した。続く森下に投じた3球目のシュートが暴投となり、この回は無安打で2点を献上した。それでも、今季初バッテリーとなった捕手・石原と意思疎通を図り、4~6回は無失点に抑えた。
「前回(6日のDeNA戦)は真っすぐに強さがなかったが、その辺は修正できたと感じた」
お盆休みのマツダスタジアムには3万2128人の観衆が詰めかけたが、チームは今季18度目の零敗で5位に後退。大瀬良の粘投も報われなかった。新井監督は「大地に申し訳なかった」と悔しさを押し殺して、こう続けた。「いつものマツダスタジアムの雰囲気とは違ったし、声援もいつもより強さを感じて、選手も感じていたと思うので、何とか勝ちたかったですけど、また明後日(15日)からの試合につなげていきたい」。熱い声援に応えるべく、気持ちの切り替えを促した。 (長谷川 凡記)
▽ピースナイター マツダスタジアムが開場した09年以降、広島に原爆が投下された8月6日に近い主催試合で行われ、野球を通じて平和と核兵器廃絶を訴える。08年に広島市民球場で開催された「折りづるナイター」を含め、今年で18回目を迎える。
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