ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2025.08.13 09:28

米国が一部の国を除いた多くの国の相互関税を確定し、韓国の家電企業は北米市場に合う「最適な生産基地」探しに没頭している。現時点で有力な代案はメキシコだ。米国が相互関税25%を課しているが、家電品目には無関税が維持されており、相互関税が一部課されても対米輸出で地理的利点が大きいという判断からだ。

12日基準で米国が主要国に課した相互関税率を見ると、韓国が15%、タイとマレーシアが19%、台湾とベトナムが20%、メキシコが25%、中国が30%、インドが50%の水準だ。

韓国の家電企業が生産工場を置いているメキシコは関税率がベトナムなど東南アジアより高いが、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)により現在無関税だ。鉄鋼派生商品に品目別関税50%(含有量基準)が課されるが、家電の鉄鋼含有率は通常10%前後で、他の地域への輸出時にかかる物流費などと比較すれば耐えられる水準という。また、メキシコと交渉中の米国が1日から90日間にわたり現在の関税率を維持することにしただけに韓国企業もメキシコの割合を維持したり拡大する雰囲気だ。

足早に動いたのはLGエレクトロニクスだ。LGエレクトロニクスは来月からメキシコで初めて洗濯機生産に出る。今年初めメキシコのメヒカリ工場で生産したテレビのラインをレイノサ工場に統合して空いた工場を洗濯機生産に転換するという計画だ。乾燥器生産ラインの追加も検討中だ。今後相互関税が課されても韓国や東南アジアから北米市場までの物流費などを考慮すればメキシコの方が良いという計算だ。

この場合、LGエレクトロニクスはメキシコでテレビ(レイノサ)と冷蔵庫(モンテレイ)、洗濯機(メヒカリ)まで3大家電をすべて生産することになる。これまで北米向けの洗濯機と乾燥器は主に米テネシー州クラークスビルと東南アジアの一部地域で生産してきたが、メキシコの割合を徐々に増やすという計画だ。

サムスン電子もメキシコ生産の割合を当分維持する見通しだ。今年初めだけでもメキシコのケレタロ工場の乾燥器生産を米国に移転する計画だった。サムスン電子はメキシコで冷蔵庫、洗濯機、乾燥器(ケレタロ)と、テレビ、モニター(ティフアナ)を、米サウスカロライナ州ニューベリーで洗濯機を生産中だ。業界ではサムスン電子が東南アジアで生産中である北米向け家電の一部をティフアナ工場に移すかもしれないとの見通しも出ている。米国内の人件費と生産設備増設費用を考慮すればメキシコほどの生産基地を新たに見つけるのが難しいという話だ。

変数は残っている。相互関税交渉に加え来年に予定されたUSMCA再協議も変数だ。2020年に発行したUSMCAは6年ごとに再協議する条件を付けたが、トランプ大統領は早期の再協議を望んでおり、早ければ今年下半期に再協議が前倒しされるかもしれないとの見方が出ている。韓国貿易協会国際貿易通商研究院の報告書では「USMCA改正時に韓国企業の供給網見通しに構造的変化を招くことになり、北米地域内の販売と輸出競争力に影響を与えると懸念する」と指摘した。

ただ明知(ミョンジ)大学国際通商学科のキム・テファン教授は「今後USMCA再協議をするといっても3カ国の供給網があまりにも絡み合っておりトランプ政権がいまより状況を悪化させるのは難しい。韓国家電業界にはメキシコが依然として最も魅力的な生産基地だろう」と話した。

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