東京の池袋で車が暴走して親子2人が死亡した事故の裁判で、検察側は被告に禁錮7年を求刑しました。
旧通産省・工業技術院の元院長・飯塚幸三被告(90)は2019年4月、豊島区東池袋の路上で乗用車を暴走させ、松永真菜さん(当時31)と娘の莉子ちゃん(当時3)を死亡させた罪などに問われています。この裁判の焦点は「過失の有無」です。7月15日の裁判で、検察側は「運転技術を過信し危険性をおざなりにして、利便性を重んじた」と述べ、アクセルとブレーキの踏み間違いを指摘し、禁錮7年を求刑しました。一方、飯塚被告は「アクセルペダルとブレーキペダルを踏み間違えた記憶は全くない」と改めて無罪を主張しました。
裁判終了後、妻と娘を事故で亡くした松永拓也さんが会見を開き、中立な判断を下してほしいと訴えました。会見で松永さんは「ここまで来るのは長かったが、むなしさと、今終えたんだ、やれることはやったという複雑な気持ち。心がつぶれそうになりながらも読み上げた意見陳述を聞いてもなお(飯塚被告の考えは)やっぱり変えられないんだ。(被告には)罪と2人の命と遺族の無念と向き合う時間と場所が必要だと思う。それは刑務所に入ることなので、裁判所にはしっかりと公平で公正な判決を下してほしい」と述べました。
裁判は今回で結審し、判決は9月2日に言い渡されます。
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