トランプ米大統領、E・J・アントニー氏を労働統計局長に指名

 8月11日、トランプ米大統領は、新たな労働統計局長にエコノミストのE・J・アントニー氏を指名すると発表した。写真は労働統計局本部。米首都ワシントンで2021年5月撮影(2025年 ロイター/Andrew Kelly)

[ワシントン 11日 ロイター] – トランプ米大統領は11日、新たな労働統計局長に保守派シンクタンク、ヘリテージ財団のチーフエコノミスト、E・J・アントニー氏を指名すると明らかにした。

トランプ氏は今月初め、米雇用統計が軟調な内容となったことを受け、不正に操作されたとして労働統計局長を解任していた。

トランプ氏は「わが国の経済は好調だ。EJは発表される数字が正直かつ正確であることを保証するだろう」と自身の交流サイト(SNS)に投稿した。

アントニー氏はかねて労働省統計局に批判的だった。昨年、統計局が2023年4月から24年3月までの雇用データの下方修正を発表すると、「バイデン・ハリス労働省は空想の世界に存在しているようだ」と米紙ニューヨーク・ポストへの寄稿で指摘した。

連邦政府の改革に関するヘリテージ財団主導の政策提言「プロジェクト2025」のとりまとめにも参画したアントニー氏の起用に、専門家から懸念の声があがった。

RSM・USのチーフエコノミスト、ジョー・ブルスエラス氏は「今後、民間データへの需要が急増するだろう」と述べた。

グラウンドワーク・コラボレーティブの政策・アドボカシー責任者アレックス・ジャケス氏は、アントニー氏を「追従者」と呼び、同氏の起用は「独立した分析に対する明らかな攻撃であり、米国の経済データの信頼性に広範囲にわたる影響を及ぼすだろう」と指摘した。

労働統計局長人事は議会上院の承認が必要となる。

トランプ氏は、マッケンターファー前局長を解任した際、「はるかに有能で資格のある人物」に交代させると述べた。ヘリテージ財団によると、アントニー氏は経済学の博士号を持ち、テキサス公共政策財団にエコノミストとして在籍したほか、労働経済学などを教えた経験も持つ。

ロヨラ・メリーマウント大学のソン・ウォン・ソン教授(金融経済)は「彼は確かに必要な経済学の資格を持っているが、だからといって、統計局がどのようにデータを集計し、毎月どのように修正しているかを理解しているわけではない」と指摘。「今後発表されるデータの中には、トランプ大統領が気に入らないものもあるだろう。彼がそれをどう説明するのか、そして大統領がどう反応するのかが注目される」と語った。

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