ゴールドマン・サックス・グループの元バンカーで、ロンドンの富裕層向け投資会社の中でも著名なサックビル・キャピタルのナシール・アルシャリフ会長(45)が、英国を離れた。英国では増税を受けて出国する富裕層が相次いでいる。
米銀ゴールドマン・サックスのドバイ・チーム創設メンバーの1人でもあるアルシャリフ氏は、現在は母国サウジアラビアに通常居住していることが、登記記録から明らかになった。同氏は、サックビルの設立・経営に関わる中で、少なくとも3年間は英国に居住していた。
サックビルの広報は、コメントを控えた。同社は、サウジの億万長者一族の資産を運用し、プライベート・マーケット投資に注力している。
英国では、「ノンドム(英国非永住者)」と呼ばれる国外出身の富裕層居住者に対する大規模な税制改革の導入後、億万長者やバイアウトファンド関係者、世襲資産家などの国外移住が加速している。
英政府は、英国国外の収入に課税しないというこれまでの制度を見直すことで、今後数年間で330億ポンド(約6兆5000億円)の増税効果を見込んでいる。だが、複数のシンクタンクがこの試算に異議を唱えており、雇用や経済成長への悪影響を警告している。
モナコやアラブ首長国連邦(UAE)といった低税率地域に移住する人が多い一方で、アルシャリフ氏のように母国へ戻るケースもある。ジャック&ジョーンズブランドを展開する衣料品大手ベストセラーの創業者トロールス・ホルク・ポウルセン氏も、最近になり居住地を母国デンマークに移した。ビール大手アンハイザー・ブッシュ(AB)インベブを創業した3大家族の一員でフレデリック・ド・メヴィウス氏も、母国ベルギーへ戻っている。
関連情報:英国で止まらぬ富裕層の転出-労働党の非永住者課税、国庫に逆効果も
原題:Billionaire Family’s Ex-Goldman Banker Adds to UK Wealth Exits(抜粋)
(詳細を加え更新します)

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