農家も消防士も看護師も 本業を持つスタッフが挑んだ初生放送

2025年7月7日正午、石川県輪島市町野地区で開局した臨時災害放送局「まちのラジオ」で初の生放送が始まった。番組で挨拶をしたのは、町野復興プロジェクト実行委員会「町プロ」の6人。彼らの明るい声が響いた。

「今日は、令和7年7月7日月曜日、777とスリーセブンそろったおめでたい日ですね。そして七夕。昨年は能登半島地震、そして奥能登豪雨と2度の大災害に見舞われた、ここ町野町なんですけども、ここからは新しい町づくりを進めていこうということで、今日からスタートしたのがこの臨時災害放送局『まちのラジオ』です」

「まちのラジオ」がプレハブのスタジオから放送していること、「女川さいがいFM」(現オナガワエフエム)のスタッフたちとつながって開局にこぎつけたことなど、「まちのラジオ」のバックグラウンドを軽妙な会話で紹介していく。ひとりが「これ本当に開局してるの?」と言えば、「開局されてるらしい」と笑いが起きる。

「まちのラジオ」のスタジオにはエアコンもあるが、マスコミ14社が取材に来たため、撮影できるように窓を開けて生放送。この日の気温は33度だ。「まちのラジオ」でも天気予報が紹介され、町野地区の商店の情報も流された。町野地区のスーパーからの中継も。また、震災発生直後から支援を続けているキャンドルアーティスト・CANDLE JUNEさんからのメッセージも放送された。さらに、石川県七尾市にある国土交通省能登復興事務所の若手職員も生放送に出演。道路の復旧状況や今後の見通しについての説明も行われるなど、まさに町野地区の住民が今、知りたい情報を届けていった。

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