目指すは日常へスッと馴染むSUV
ルノーはバッテリーEVへの橋渡しとして、ハイブリッド(HV)技術へ注力してきた。マイルドHVにプラグインHV、フルHVという3種類を擁するが、特に重点を置いているのが後者。もちろん、新しいシンビオズの動力源にもなっている。
該当クラスには、プジョー2008に日産キャシュカイ(旧デュアリス)などライバルが多く、競争は厳しい。これまで以上の効率性や実用性など、総合的な実力が求められる。そんな中でシンビオズは、日常へスッと馴染むSUVが目指されたという。
ルノー・シンビオズ E-テック145 アイコニック・エスプリ・アルピーヌ(英国仕様)
トリムグレードは、英国ではテクノ、テクノ・エスプリ・アルピーヌ、アイコニック・エスプリ・アルピーヌの3種類。18インチ・アルミホイールにグーグルの技術を利用したインフォテインメント・システム、ツインモニターなどが共通で備わる。
ドイツ風のシャープなボディライン
シンビオズのプラットフォームは、ルノーのCMF-Bで、ひと回り小さいキャプチャーと共有する。全長は4413mm、全幅1797mm、全高1575mmというサイズで、空力特性へ配慮し、前面投影面積が抑えられた。
エンジンは、マイルドHVとフルHVの2択。前者は1.3L 4気筒ガソリンターボに、トランスミッション内の電気モーターを組み合わせたもの。後者は、自然吸気の1.8L 4気筒ガソリンに、駆動用モーターとスターター・ジェネレーター(ISG)が組まれる。
ルノー・シンビオズ E-テック145 アイコニック・エスプリ・アルピーヌ(英国仕様)
スタイリングはシャープなラインで構成され、どこかドイツ風。優れた品質や合理性、高度なデジタル技術、洗練された見た目といった、ルノーが量産車へ掲げる哲学が滲み出ているようにも思う。
「過去には奇抜な方向性へトライしましたが、さほど売れませんでした」。とルノーの上層部は口にするが、軌道修正した結果か、シンビオズはハンサム。細部までこだわりを感じる。ルーフラインが真っすぐ伸び、車内空間も犠牲にはなっていない。
後席の位置で調整できる荷室容量
ドアを開くと、群を抜くほどではないものの、ゆとりある空間が出現する。スライド可能な後席は、平均的な大人2名で丁度良い広さ。オプションのパノラミック・ガラスルーフを装備すると、身長が180cm以上ある人には、少し窮屈かもしれない。
荷室容量は、後席の位置で492Lから624Lまで調整可能。その背もたれを倒せば、1582Lへ広げられる。このクラスでは平均より大きめといえ、床面は高さを調整でき、使い勝手は良いはず。シガーソケットなどは備わらないが。
ルノー・シンビオズ E-テック145 アイコニック・エスプリ・アルピーヌ(英国仕様)
前席側は座り心地の良いシートや、ステレオ用のハードスイッチ類が並んだステアリングホイールなどが好印象。内装のソリッド感も高い。フロントやサイドのピラーが太く、リアウインドウは小さめで、死角は大きいけれど。
最大24種の機能が実装される運転支援システムは、ステアリングホイール上のボタンで操作可能。不要なら、1発でオフにできる。バックカメラは、画質が良くないが備わる。
実際に押せるハードボタンで操作性良好
画像 日常へスッと馴染む 新型 ルノー・シンビオズ サイズの近いクロスオーバーたち 全160枚
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