インドの電子・情報技術省(MeitY)は7月11日、傘下にあるコンピューター緊急対応チーム(CERT-In)とサイバーセキュリティ企業のSISA社と共同で、「量子サイバーの準備への移行」と題するホワイトペーパーを発表したことを明らかにした。

(出典:PIB)

インドは、デジタル決済とオンライン公共サービスの世界的リーダーとして、急速に台頭してきた。このデジタル化の飛躍は、社会や政府に、膨大な量の重要なデータや金融取引、国のデジタルインフラを保護するという重大な責任を課している。量子コンピューティングが従来の暗号化手法を破ろうとする中、量子耐性のあるサイバーセキュリティの必要性が急務となっている。

このホワイトペーパーは、耐量子安全性への移行を開始させ、量子の時代に備えるための貴重なガイドであり、量子の脅威に備えるための包括的なフレームワークを提供する。これは、量子コンピューティングが既存の暗号システムとインドのデジタルバックボーンに与える潜在的な影響を分析し、量子耐性アルゴリズムに移行するための戦略的な道筋を提示する。また、コンプライアンスと運用の継続性を維持しながら、新しいセキュリティプロトコルを既存のフレームワークに統合するための実践的なアプローチを推奨する。

インドがデジタルイノベーションにおけるリーダーシップを進める中、このホワイトペーパーは、量子コンピューティングの新たなリスクを組織が理解し、対応するための戦略的な学習ガイドとして機能する。この文書は、銀行・金融サービス・保険(BFSI)、ヘルスケア、政府などの規制対象セクターのニーズを念頭に置いて設計されており、実用的な技術的推奨事項と、プロアクティブなセキュリティとレジリエンスの文化を育むための広範な呼びかけを結び付け、組織が自信を持って量子の地平線をナビゲートできるようにする。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

WACOCA: People, Life, Style.