ドイツの兵器メーカー、ラインメタルは、受注につながりそうな交渉中の案件を大量に抱えている。ドイツ政府からの注文は、予想以上の規模に上りそうだという。1-6月(上期)の決算は期待外れで株価が急落したが、今年の防衛費増額が今後の業績見通しを押し上げると見込む。

  ライメタルが7日発表した上期決算報告によると、北大西洋条約機構(NATO)加盟国は防衛費を国内総生産(GDP)の5%に引き上げることで合意したが、これが決定されたNATO首脳会議が6月末だった上、ドイツ連邦予算の成立の遅れで、新規契約は下期にずれ込んだ。

  同社のアルミン・パッペルガー最高経営責任者(CEO)はアナリストとの電話会議で、下期に見込まれるドイツ政府からの車両受注は「予想以上」になるとの見方を示した。詳細は国家安全保障に関わるとして明かさなかった。

  「報道で目にしているのは、保守的な数字だ」とパッペルガー氏は語った。

"Heavy infantry weapon carriers" of the Bundeswehr

ドイツ製装甲戦闘車両「ボクサー」

Source: picture alliance

  ブルームバーグはこれまでに、装甲戦闘車両「ボクサー」を5000台、戦車戦車「レオパルト2」を数百台、ドイツ政府が購入する見通しだと報じていた。

  ラインメタルは今年通期の増収率を25-30%、営業利益率が約15.5%になるとの予想をそれぞれ維持した。上期の受注残高は過去最高の630億ユーロ(約10兆8000億円)に達した。

  受注状況が年後半に明らかになってくれば業績見通しを修正するとし、防衛部門の伸びは10-12月(第4四半期)に最も顕著になるとパッペルガー氏は述べた。

  上期決算の発表を受けて株価は急落し、一時8%安となった。

  ドイツの2025年予算は議会が夏季休暇から明ける9月に成立する見込み。メルツ首相は年初に同国の債務ブレーキを緩和し、防衛支出を無制限に増やせる可能性に道を開いた。

原題:Rheinmetall Touts Order Book After First Half Disappoints (1)(抜粋)

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