働き手、陰で支える味方

 ○…政府主導の「働き方改革」が叫ばれるようになって久しい。多様な雇用形態の導入やワークライフバランスの重視など労働環境が目まぐるしく変化する今、ニーズが高まっているのが社会保険労務士だ。人事・労務管理全般の問題を指摘し、改善策をアドバイス、企業の発展に寄与する。藤沢、茅ヶ崎、鎌倉、寒川3市1町の社労士約300人が名を連ねる藤沢支部の舵を取る。「半世紀の歴史がある支部。先人が築いた伝統を守りつつ、時代に沿った提案をしていきたい」

 ○…横浜市栄区で生まれ育った。就職氷河期で、面接官から「結婚したら辞めるの」と質問されたことも。大学卒業後は生保などの営業職に携わった。仕事に不満はなかったが、「私の人生このままでいいのか」という漠然とした疑念が渦巻いた。「何か武器になる資格がほしい」と宅建を取得。その後、たまたま書店で社労士について知った。結婚、出産を経て、子育てしながらようやく手にした国家資格。その頃から約20年働く広瀬事務所の代表からは、全幅の信頼を寄せられるほどの存在になった。

 ○…かつて書類代行がメインだった業務も現在は経営コンサルなど、より専門的に企業運営を陰で支える。行政から委託を受け、労働相談会も開く。子育て中の母親や高齢者など対象はさまざま。「正解はない。でも相談者が何を求めているのか、気持ちを汲む必要がある」。一人一人の声に真摯に耳を傾け、常に味方であり続ける。

 ○…趣味は推し活。韓国の男性アイドルグループ「SHINee」のライブに行くのが息抜きだ。2人の娘から最新情報もゲットする。「法律や制度、手続きは変わる。仕事もプライベートもアップデートが肝心」といい、柔和に笑った。

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